ツイノベ 271-275

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小説
私は高校でいじめられていた。最近は露骨になって、机に花瓶が置かれていたり、同級生に話しかけても無視されることが多い。出席を取るときになっても、私の名前だけ呼ばれなかった。窓を眺めると私の姿が映ってないことに気付く。……あぁ、そっか。私、本当に死んじゃったんだ/№271 プロット

都内の高校で女子生徒が飛び降り自殺を図った。なんとなく、女の子の死を創作にしたいと感じた。それは悪いことなのだろうか。不謹慎なことなのだろうか。だから、この小説を最後に僕は言葉をやめようと思った。ふと、僕の彼女が亡くなった日のことを思い出す。どこにもない夏だった/№272プロット(2018/04/20.pdf)

彼女が亡くなる数日前、僕達は些細な事で喧嘩をした。「歌を歌うことは、私の本当にやりたい事じゃなかった」と。君の事を認めた上で、君の事を嫌いになりたかった。「憧れを捨てた東京には、君のような人が大勢いるんだね」と、彼女の背中に向けて吐いた言葉が、最後の思い出だった/№273 無題(4).doc

昔、彼女が「憂鬱に名前を付けて、それを水風船に書いて割りたいね」と言っていたことを思い出す。彼女は自分自身の名前を水風船に書いて割ってしまったのだろうか。あの日と同じ公園のベンチに座る。翠緑をした炭酸飲料の気泡が弾けて、どこへともなく消える様をただただ見ていた/№274 無題(1).txt

「『幸せじゃなくてもいい』」と言える人はさ、初めから幸せな人だからだよ」と彼女が笑いながら呟いた言葉が印象的だった。「有名になりたい」が口癖だった彼女は、憧れを抱いて東京に移り住んだそうだ。夏にも関わらず長袖を着て、代々木公園で歌う彼女の姿が、どこか翳って見えた/№275 無題(3).xls

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