昨日に引き続きまして、今日も精神障害者の話です。
で、今回はそういう子供についてです。
よく、大人たちは「差別や偏見は良くないことだから絶対にしちゃいけない」みたいなことを言いますが、それは上辺だけだという研究を今回は紹介します。
まぁ、もっとも人間っていうのは自分は正しいことをしているんだと思い込みたいので、それ自体はもうどうにもならないのですが。
ですが、これを読まれている方はそういう風に人間って思うのかと考えるようになる知識が増えるので、偏見がその分減ると思います。
ですので、最後まで読んでいただけたらと思います。
精神障害があると思うだけで!?
インディアナ・ユニバーシティ・ブルーミントンのバーニス・ペスコリソドたちは、精神衛生上の問題を抱えている子供たちの危険性の受け止め方について調査した。
まず、1152名の参加者たちに様々な短い物語に出てくる子供たちの危険性について回答してもらい、それを分析した。
その結果、他の健康問題を抱える子どもたちと比較して、うつ病の子供は他の人を危険にさらすリスクが2倍以上、自分自身を危険にさらすリスクがなんと10倍あると回答した。
さらに、注意欠陥・多動性障害(ADHD)の子供たちにも同様のパターンが見られ、ADHDの子供たちが他者と自分自身を危険にさらすリスクは、「日常的に問題を起こす」子供たちの約2倍だと思われていた。
これって何の根拠もないのですが、人ってそういう風に見てしまうのですね。
ですが、本当にリスクをさらすような危険な行動をするのでしょうか。
少年の銃撃事件は大半が精神障害者!?
他の研究者たちが行った調査では、銃撃犯の大半(全員が少年)に、銃撃事件後に統合失調症、臨床的うつ病、人格的障害と言った重大な精神衛生上の問題がわかったという。
ところが、この研究では他にも危険因子は数多くあったが、どれも特別に問題にならいと結論を出している。
そして、銃撃犯の大多数に言えることが、周囲の大人たちは彼らがこういう問題行動を起こす危険性の高い人物だとは考えていなかったということだった。
これは親も教師も含めそういう風には考えていなかった。
1番目の研究では危険と考えて、2番目の研究では予測ができなかったと、なんか変な話ですよね。
もちろん、銃事件を起こす人自体も全体から見れば少ないですし、全員が精神障害者ではありません。
ですので、周りがこういうことを予測できなかったということは当たり前かなーというふうに思います。
ちょっと一言
まぁ、日本でも事件は起こりますが、全員が精神障害者ではありません。
一般的に健常者と言われる人だって、事件を起こしたり、わけのわからないことを言う人だっています。
「精神障害者=危険」というのは思い込みによることが多いのでそれを意識すればそういう思い込みから抜け出せるのかなと思いました。
まぁ、どんなバイアス(思い込み)にも言えることですが。
参考文献
Perceived Dangerousness of Children With Mental Health Problems and Support for Coerced Treatment
Deadly Lessons: Understanding Lethal School Violence