データサイエンティストはやめとけって本当?その理由と後悔する前に知っておくべきこと

データサイエンティストやめとけ

比較的新しい職種ながら、最近注目を集めているデータサイエンティスト。ビッグデータをもとに数値の分析はもちろん、具体的な改善案や提言が求められる仕事です。そんなデータサイエンティストですが、SNSなどネット上では「データサイエンティストはやめとけ」などといった後ろ向きな意見も多いようです。そこで、本記事ではデータサイエンティストの仕事内容から「やめとけ」と言われる理由、そしてそのように後悔する前にすべきことを紹介します。

そもそもデータサイエンティストとは?

データサイエンティストやめとけ
まず、データサイエンティストはどのようなお仕事なのか、具体的にみていきましょう。
一般社団法人「データサイエンティスト協会」では、下記のように定義されています。

“データサイエンティストとは、データサイエンス力、データエンジニアリング力をベースにデータから価値を創出し、ビジネス課題に答えを出すプロフェッショナル”

つまり、データの収集や分析はもちろんのこと、そのデータから見えてきたビジネス課題を解決する職業です。
データサイエンティストは黙々とデータ分析をしているイメージがありますが、それだけではなく、マーケティング知識が必須であり、時には経営的視点も求められるのです。

仕事の流れ

データサイエンティストの仕事は企業やクライアントによって異なりますが、一般的には以下のような流れで進行していくケースが多いようです。

・企業の経営課題の抽出
・データ収集
・データの整理・加工
・データ分析・モデリング
・レポート作成・提案

※あくまでも一例ですので、すべてのデータサイエンティストに当てはまるわけではありません。
※一部のフェーズに特化したデータサイエンティストもいます。

フェーズ1:企業の経営課題の抽出

データサイエンティストの仕事は、企業が抱えている課題の抽出から始まります。
例えば、とあるWebサービスのデータサイエンティストとして働くことになった場合、「どうすればユーザーの離脱を防げるのか?」などを課題として抽出していきます。
課題が明確になったら、達成目標を決め、これをクリアしていくための仮説立案をします。
仮説立案とは「仮説を証明するためにはどのデータを分析していく必要があるのか?」といった視点で分析対象のデータを検討していくこと。
この作業は、ビジネスやセールスの部門のチームと調整を行いながらすすめる必要があるためコミュニケーション力は必須です。

フェーズ2:データ収集

次に課題解決に必要なデータをビッグデータから抽出していきます。
具体的には、該当のWebサービスやサイトのログなどからデータを収集していきますが、まずは、データの収集方法や格納方法を検討するなど分析基盤を整えていく必要があります。
データ収集には、サーバーサイドのプログラミング言語であるSQLを。
また、大規模なデータ分析基盤の構築にはApache SparkやHadoopなどのフレームワークも必要になるため専門的知識が問われる作業です。

フェーズ3:データの整理・加工

収集したデータにはノイズとなる不要なデータも含まれているため、そのまま分析することはできません。
そのため、不要なデータを削除したり、形式を整えたりして加工をしていき、より精度の高い分析ができるように下処理を行っていきます。

フェーズ4:データ分析・モデリング

データの整理が終わったら、いよいよ分析を行なっていきます。
プログラミング言語や統計学、最近ではAI技術を用いることがあるため、この段階でデータサイエンティストとしての実力が問われるといっても過言ではありません。
そして、分析結果から必要に応じて、機械学習モデルの構築をしていくなど、モデリングを行うことも。

フェーズ5:レポート作成・提案

分析の結果、仮説が立証できたら分析結果をクライアントに報告。
さらにデータから実現できるビジネスアイディアも提案していきます。

データサイエンティストの特徴とは

データサイエンティストやめとけ
データサイエンティストの大きな特徴は、まず幅広い知識・スキルが必要な点が挙げられます。
データ分析だけではなく、マーケティング、エンジニアリングなど多方面におけるスキルが求められるため狭き門ではありますが、将来性も高く収入面でも他職種より高水準に設定されています。

特徴1:幅広い知識・スキルをもっている

データサイエンティストは幅広い知識やスキルが求められる職業です。

基本的には、
・データサイエンス
・データエンジニアリング
・ビジネススキル
の3つのスキルが必要といわれています。

データサイエンス力

データサイエンス力とは数学・統計学・機械学習に関する知識のことを指し、データサイエンティストとしてのベースとなる知識です。
データの構造を読み取る、また仮説を検証していく過程で必要になります。

データエンジニアリング力

データエンジニアリング力は、プログラミングなどエンジニアとしてのスキルを指します。
プログラミングスキルとしては、SQL(データベースを操作する言語)やPython(機械学習モデルを構築する言語)が必要です。

ビジネススキル

分析結果から実際の提案までにつなげていくところが、データサイエンティストの仕事です。
クライアントとのやりとりもあるため、コミュニケーション能力やプレゼン力なども問われます。
たとえば、クライアントや企業の担当者がデータ分析についての知識がない場合でも、わかりやすく結果をフィードバックできる力が必要です。

特徴2:ニーズは高まり続けている

データサイエンティストのニーズは今後も高まっていくと予想されます。
企業のIT化や急速な技術革新によって、企業には膨大なデータが蓄積されている昨今。
この流れは今後も急速に進み、ビッグデータ解析の流れは加速していくことでしょう。

また、データドリブン経営と呼ばれる、ビッグデータの分析結果にもとづいた意思決定で経営をすすめる企業も徐々に増えています。
たとえば、下記のような業界はその傾向が多く、特にデータサイエンティストが必要とされています。

・IT・ソフトウェア業界
・金融・保険業界
・製造業界
・不動産業界

このように、データサイエンティストは幅広い業界で需要があり、活躍できるチャンスは多いです。
とくにIT業界は市場拡大が続いており、今後もニーズは高まっていくでしょう。

特徴3:年収の水準が高い

国内外問わず、データサイエンティストは年収の水準が高い職種と言われています。
なぜ高収入になりやすいかというと、データサイエンティストひとりの仕事(成果物)が企業利益に与える影響力が大きいから。
例えば、分析結果にもとづいた経営戦略は、ときに数千万円、数億円の売上アップにつながるポテンシャルを秘めているのだとか。
一般的に、国内企業に勤めるデータサイエンティストの平均年収は700万円前後、米国などの海外では平均で1000万円を超えると言われています。
また、データサイエンティストはフリーランスの場合も、単価が高く設定されている傾向にあります。

特徴4:人材不足

報酬の面で夢のあるデータサイエンティストですが、常に人材不足と言われている業種です。
データサイエンティストの採用に関するアンケート調査結果」によると、国内企業のうち、データサイエンティストが在籍する企業は全体の29%といった結果もあり、企業側からみると足りていないのがわかります。
さらに、経済産業省の調査によると、データサイエンティストなどのAI人材は、2030年時点で14.5万人の需給ギャップがでると予想されています。

“データサイエンティストはやめとけ”といわれる理由

データサイエンティストやめとけ
さて、今回の本題ですが、SNSやネットでは「やめとけ」といった声もみられるデータサイエンティスト。
なぜ、そのような意見があがっているのでしょうか。
データサイエンティストにもいろいろな在り方があるため、全員に当てはまるわけではないのでその点は安心してください。

技術習得までの難易度が高い

前述したように、データサイエンティストはさまざまな知識・スキルが求められ、短期で獲得できるものではありません。
求められるスキルのレベルも高く、過去の学習経験の影響も大きいです。
たとえば、数学や統計学の知識であれば大学レベルの微分積分や回帰分析、線形代数などを使うため、文系出身者にはハードルが高いでしょう。
プログラミング言語についても、PythonやSQLは初心者向けの言語ではなく、エンジニアでなければ出会うことが少ない言語です。
そのため、未経験者からデータサイエンティストになるには相当の覚悟と努力を長期間継続させる必要があり、ときに「やめとけ」といわれてしまうこともあります。
しかし、逆にいえば幅広い知識やスキルを身につけられるので、市場での人材価値は高くなるでしょう。
たとえデータサイエンティストとしてうまくいかなかったとしても、フリーランスでプログラミングをしたりエンジニア転職をしたりと、目指す過程で身につくスキルは他で十分に生かせます。

責任や期待が大きい

世の中からのデータサイエンティストに対する期待は非常に大きいゆえ、責任感を背負いこんでしまう人もいます。
とくに、AIについては近年の急速な技術革新もあり、過度に期待されているケースも多いです。
それに対してプレッシャー、そして経営陣やクライアントからの仕事への評価のギャップを感じる方も多いようです。
さらに、データサイエンティストの提案や戦略はときに企業の業績を左右することもあり、ミスがないように細心の注意を払いながら作業をすすめなければなりません。
こういった過度な期待や大きな責任、プレッシャーを感じ続ける環境に、「つらい」と声をあげてしまうデータサイエンティストもいるのです。
一方で、立案した経営戦略が功を奏すと売上が何千万円、何億円とアップすることもあります。
責任や期待が大きい反面、うまくいったときの貢献度合いも非常に大きいです。
データサイエンティストの仕事は、企業全体の利益を大幅に上昇させる可能性を秘めているため、平均給料は非常に高いのです。

地道な作業が多い

データサイエンティストはデスクワークが中心で地道な作業が多い職業です。
仮説検証の時間もありますが、そこに至るまでにひたすらデータを収集したり、データを分析できるように整えたりする作業に費やしているのが現実のようです。
一方で、ひとつのことに探究心をもって根気強く取り組める人には向いていると言えるでしょう。

将来は仕事がなくなる?

技術の進化が目覚ましいAI。
データサイエンティストの仕事は、いずれAIが代替できるようになるのでは?という声もあるようです。
しかし、AIによる代替はどの業種でも懸念されていること。
分析結果にもとづいた課題解決案の策定など、ビジネスに紐づいた付加価値の創出は、現状ではAIやBIが人間に勝ることはないでしょう。

それでもデータサイエンティストになりたい!やるべきこと5選

データサイエンティストやめとけ
「データサイエンティストはやめとけ」と言われる理由を解説してきました。
それでもなおデータサイエンティストを目指す人は、いったい何をすれば良いのでしょうか。

データサイエンティストは高い専門性が求められるので、未経験からはなかなか難しいのが現実。
ここからは、データサイエンティストを目指すうえで取り組むべきことを5つ紹介します。

必須な知識を学習する

まずは、データサイエンティストとしてスキルを習得するうえで必須になる前提知識を身につける必要があります。

・AI・機械学習
・統計学
・IT関連

これらの基礎知識を学ぶところからスタートしましょう。
必要な基礎知識の範囲がわかり、合格という明確な目標を定めやすいため、学習するなら資格取得を目指す方法がおすすめです。
資格は、フリーランスであればクライアントに具体的な知識をアピールできますし、転職をするにしても企業から評価されてプラスになることも。

プログラミングを学習する

前述したように、プログラミングスキルも必須になります。
上記で紹介した基本情報技術者試験にも、プログラミング言語が出題範囲に含まれています。
基本的にはデータサイエンティストがよく用いるPythonやSQL、R言語を学習すればOKなのですが、未経験からであればPythonとSQLを優先しましょう。

Python

機械学習開発やデータ分析に必要なプログラミング言語。
利用する人が多いので勉強方法もたくさん溢れていてかつ、コードもシンプルなので上記の言語のなかでは比較的学習時間も短いとされています。

SQL

データベースを操作するためのプログラミング言語です。
データベースにクエリ(問合せ)を行い、結果を出力します。
たとえば、
データの条件検索
データの取得・登録・更新・削除
テーブル(表)の作成・変更・削除
などが可能です。
モチベーションがなかなかあがらない人や、学習のゴールがみえてこない人はプログラミングについても資格取得を目指すのがおすすめです。
学習については、動画学習サービスやプログラミング学習アプリなどがあるのでうまく活用していきましょう。

周辺職種に就く

データサイエンティストは幅広い知識・スキルが必要で、事前に学習しておくことが多く、未経験からいっきにデータサイエンティストになるには時間がかかることもあります。
長期目線で徐々にデータサイエンティストを目指す方法として、データサイエンティストと関連性の高い職種に一度就いてから、キャリアアップを目指すのも手です。
具体例としては、エンジニアやマーケター、経営コンサルタントなどがあげられます。
プログラミングやマーケティングの知識・スキルは、データ分析や経営課題の抽出・解決をすすめるにあたって活用できます。
実際にデータサイエンティストで活躍する人のなかには、もともとはPythonやデータベースを扱うエンジニアだった人や、経営コンサルタントだった人も多いそうです。
企業にエンジニアとして就職したり、フリーランスエンジニアとして経験を積んだりした後であれば、職歴にブランクをつくらず目指していけます。

ポートフォリオで実績を示す

ポートフォリオとは自分のスキルや実績を示すための作品集のようなもの。
フリーランスや副業として活動する場合、クライアントはあなたのポートフォリオをみて依頼するかを判断します。
また、就職や転職においても採用担当者は、ポートフォリオからあなたのスキルを図る場合もあります。
そのため、ポートフォリオを作成しておくことは、データサイエンティストとして企業に勤めるにしてもフリーランスで活動するにしても必須です。

エージェントに登録して実務経験を積む

ある程度の知識やスキルを獲得しポートフォリオまで作成したら、エージェントに登録して実務経験を積んでいきましょう。

・営業を代行してくれるので、データサイエンスの業務に集中できる
・高単価な案件も期待できる
などのメリットがあります。

とくにデータサイエンティストは高度な専門職なので、実務経験が浅いうちは自分の力で案件を獲得するのはかなり至難の業です。
しかし、エージェントを介せば、あなたの実力や適正に合った案件を紹介してもらえます。
常駐型の案件もあれば、リモート型の案件もあり、希望の収入や働き方に合わせて案件を探していけますよ。
ひとつのエージェントに絞らず、複数のエージェントを活用する方が、より自分に合った案件と出会える可能性が高いのでおすすめです。
エージェントによっては稼働中のサポートも行ってくれるため、経験が浅いうちは非常に頼りになり、安心して業務にあたれます。
データサイエンティストはIT業界の職種になるため、選ぶのであればIT業界に強いエージェントがおすすめです。

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文 / なねさん@Webライター