社員が動かない不安。それは、誰の課題でしょうか。
最近、「人が動いてくれない」「気を使ってばかりで疲れる」そんなご相談をよくいただきます。今日は、ある講師の方とのセッションを通して見えた、“他人軸の不安”から“自分軸の安心”へ変わる瞬間をお話しします。「環境改善のセミナーをしているんですが……社員さんが動いてくれない気がして、不安なんです。」そう話してくださったのは、企業研修を担当している女性講師のAさん。依頼主は社長さん。けれど、実際に向き合うのは社員の皆さん。「社長の期待にも応えたいし、社員にも響かせたい」その想いが強いほど、心が落ち着かなくなってしまう。研修が終わっても「これで良かったのかな」という不安が残るそうです。私は少し間をおいてから、静かに尋ねました。「Aさん、ほんとうは、どうしたいですか?」彼女は少し黙ったあと、ゆっくりと息を吐いて答えました。「……社員さんを変えたいわけじゃないんです。私、自分が安心して話せる場をつくりたいんです。」その言葉が出た瞬間、空気がふっとやわらぎました。長く抱えてきた“誰かを変えなきゃ”という緊張が、静かに溶けていったのです。人の不安の多くは、「自分の力ではどうにもできないこと」をなんとかしようとするところから生まれます。それは、他人軸にいるサインです。でも、自分軸に戻ると、「自分ができること」と「相手に委ねること」の境界が見えてきます。そして不安がやさしく静まっていきます。Aさんもそのことに気づいたあと、セミナーの内容が少しずつ変わっていきました。以前は、「職場を整える」「探し物を減らす」「ルールを守る」など、社員さんに向けた“やり方”の話が中心でした。でも今は、自分の体験を語るよ
0