かつての妻とベッドにいた男性の顔を忘れる月日【言の葉Cafe深夜営業】
「オムレツを作りたいのなら、先ずは卵を割ることだ」と、誰かの本で読んだことがあります。
その応用で歩くためには立たなくてはいけません。
珈琲を淹れるには、どうしたらいいのでしょう?
豆を手に入れる、器具を揃える。なければ代用できるものを探す。
それから、あぁ「お湯を沸かす」なのでしょう。
ようこそ、いらっしゃいました。
ここは【言の葉Café】
もちろんあだ名です。
ただ、そう呼んでくれる人がいてくれることが大切すぎて、
他の事はどうでもいいのでその名のままにしておきます。
此処は「世界一美味しい珈琲を出す店」ではありません。
ただ、いまの「あなた」が求めている珈琲をお出しできたら、嬉しく思います。
珈琲を欲するようになったのはいつなのか、正直僕は覚えていません。
始めて飲んだ時は苦いと感じましたし、それは至って普通の感想だと思います。
この琥珀の液体に「旨味」などを感じるようになったのは、随分と経験を積んだからだと思います。少なくとも、最初の結婚は破綻していました。あの頃、妻子とは別居していました。
特に仲がこじれていた訳ではありません。
仕事の都合、です。
微妙なニュアンスは、僕がすこしだけ妻といることに疲れを感じていたと思います。
あの夜も、すこし時間を潰して妻の家に行きました。
当時、僕はバーでマネージャーをしていました。そこの給料日の営業時間(つまり深夜です)が終わった後に妻の家に生活費を持ってくのが習慣でした。
夜明けよりずっと早く、深夜と呼ぶには遅い時間。
何故、そんな時間だったのでしょうね。
いまでは分かりません。
でも、そうすることが夫婦間の協定のように思って
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