🌿60歳から、もう一度“私の人生”を始めた話【第2話】何もできなかったあの半年──抜け殻のような日々
解雇されたあの日から、
私は完全に抜け殻になっていました。
気力も、体力も、
そして
「これからどうしたいか」という想像力さえも
どこかへ行ってしまったようでした。
目が覚めても、起き上がれない。
食事を作る気にもなれない。
「自由になった」はずなのに、時間はただ重く
苦しく流れていく──。
誰とも話したくない、でも孤独が怖い。
そんな矛盾した気持ちに振り回されながら、
私は毎日をやりすごしていました。
テレビをつけても何も頭に入ってこず、
スマホを見ても、誰かの「がんばってる姿」が
刃物となって自分の胸に刺さり、苦しくなる。
痛いけど涙も出ない。
だからこそ、よりつらくなる。
「今の私には、がんばるって言葉がつらいな」
と、思ってしまうこともありました。
何もしない自分を責める毎日。
「60歳で仕事を失った私なんて、
もう必要とされないんじゃないか」
「ここから何ができる?
何をしたいのかさえわからない」
そんな言葉が頭の中で
ずっとぐるぐるしていました。
けれど今思えば、その半年は、
私にとって必要な“充電期間”だったのかも
しれません。
すぐに立ち上がれなくてもいい。
走り出せなくてもいい。
ただ、じっとうずくまる時間が必要だった。
そう思えるようになったのは、
もっとずっと後になってからでしたが、
あの「何もできなかった日々」も、
私の人生の大切な一部です。
半年かかって、ようやく私は
「もう一度、何かを始めてみよう」
と思えるようになりました。
🌿このエッセイは、
私の実体験をもとにした連載シリーズです。
子育てが終わったと思ったら突然の解雇、
そして“もう一度自分の
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