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第十三回 無財の七施(最終回) ~房舎施~

房舎施(ぼうしゃせ)とは、訪ねて来る人あらば一宿一飯の施しを与えることをいいます。こういう話があります。ある所に、一人の旅の乞食がいました。ひどく餓えたその乞食は「ポツンと一軒家」を見つけて一杯の飯を乞いました。すると、そこに住む夫婦の妻が出てきて、こう言いました。「家には私たち夫婦が食べる分の飯しかないのじゃ、お前さんのような汚い乞食に食わせる飯などないわい!」冷たく言い放ちました。乞食は、「そうですか、わかりました。では、一杯の水を恵んではくれないでしょうか」と、水を乞うと「乞食の分際で水を乞うとはずうずしい奴だ。水なら目の前の川にくさるほどあるから自分で飲め!」これまた冷たく言い放ちました。すると、目の前の乞食はこつ然とお釈迦様の姿に変わられ、こう諭しました。「飯を一杯恵んでくださったなら、この金を一杯お礼するつもりでした。水を一杯恵んでくださったなら、銀を一杯お礼するつもりでした。川から水を汲んでくださる親切があれば、錫(すず)を一杯お礼するつもりでしたが、残念なことです。それでは幸福は報うては来ませんよ」びっくりした妻は、「ああ、あなたはお釈迦様でしたか。差し上げます、差し上げます」妻は言ったが、お釈迦様は、「いやいや、利益を目当てにする施しには、毒が混じっているから頂かない」とおっしゃって帰られた。しばらくして仕事から戻った夫が、妻から一部始終を聴くと、飯を抱えて一目散、お釈迦様の後を追った。その途中、道の岐路に立った。どちらの道だろうと迷っていると、ふと道端に乞食がいる。夫 「おい、乞食!ここをお釈迦様が通られなかったか」乞食 「いいえ、ちっとも知りませんが、とこ
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