708.“辛いもの”の食べ過ぎで「痔」になるの?“要注意食材”
“辛いもの”の食べ過ぎで「痔」になるの?“要注意食材”
を消化器病専門医が解説
多くの日本人が発症しているといわれる「痔(じ)」ですが、原因の一つとして「辛い物の食べ過ぎ」が指摘されています。実際に辛い物を食べ過ぎると「痔」になるのは、本当なのでしょうか。過剰摂取により、痔を発症する可能性がある食べ物などについて、「まきこ胃と大腸の消化器・内視鏡クリニック」(京都市伏見区)院長で、消化器病専門医の船越真木子さんに聞きました。
「不溶性食物繊維」が便秘を引き起こし、痔の原因となることもQ.辛い食べ物を食べ過ぎると、「痔」になるといわれていますが、本当なのでしょうか。理由も含めて、教えてください。
船越さん「辛いものを食べたからといって、必ずしも痔になるわけではありません。ただし、食べ過ぎると、痔を発症する確率が上がると言えます。その理由は次の通りです」
(1)辛いものが「肛門上皮」を刺激する
コショウやトウガラシなどの刺激物は、消化されないまま肛門を通過します。肛門の上皮は唇と同様、「扁平(へんぺい)上皮」という薄い粘膜に覆われており、刺激物が肛門を通過する際にこの粘膜を直接刺激するため、ピリピリします。唇が荒れているときのように、もともと肛門上皮に傷があると、痛みを強く感じたり、場合によっては出血したりすることもあります。
(2)辛いもので便通に異常をきたす
「辛いものを食べると下痢をする」という人がしばしばいらっしゃいます。痔の中でも「痔核(いぼ痔)」と呼ばれるものは、肛門周囲にある細かい血管のネットワークである「静脈叢(じょうみゃくそう)」に血液がうっ滞して
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