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最後の晩餐にナンコを選びました

私の地元の郷土料理であるナンコ。馬の腸を味噌味にして炊くもので酒のツマミになります。かつて炭鉱では、動力としてドサンコと呼ぶ馬を使用していました。ドサンコは、サラブレットと比べ力があり丈夫で、炭鉱の重たい荷物を運ぶ役目を担いましたが、足が折れるとダメになるのはサラブレット同様です。炭鉱では、故障した馬を供養するため、馬を食べる風習が根付きました。 馬は労働者にとって仲間そのものでした。仲間である馬を食べるという言葉に罪悪感を持った労働者が、ナンコという表現を使い始めたと言われています。 十二支を磁石や時計のように描くと馬(午)は6時に位置します。つまり南です。 地元の炭鉱労働者の中には秋田出身者が多かったそうです。秋田では「どじょっこ、ふなっこ、わらしっこ」のように語尾に「こ」を付ける言葉が多くあります。 労働者は、仲間である馬を食べると言えずに「南(なん)」と「こ」を使って「ナンコ」という言葉を生み出した…そんな逸話が残されています。 最後の炭鉱が閉山になったのは平成元年で、それまで、多くの労働者が長屋で生活していました。 馬の腸には糞が混じり、調理をする前に処理をしなければなりません。処理をしても凄く臭いので、どこかで馬を炊くと長屋中に分かるものでした。 ナンコは、炭鉱だけではなく地域の各家庭の食卓に並ぶようになっていて、今でも時折見かけることがあります。大量の生姜やニンニク、南蛮を使うものや、カレーを混ぜるものもあるなど、家庭ごとに味は違います。 父が亡くなり、神道の儀式として五十日祭を行う前夜、私は父にナンコを食べさせたてあげたいと思いました。しかしナンコを炊いた経験が
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