約束された希望を運ぶ者 ― 鳩の書架 🕊☪︎
新しい年は、音を立てずに始まる朝の空気が、いつもより少し澄んでいました。「新しい年だ」と告げる声は聞こえないのに、なにかが確かに切り替わったことだけは、身体のどこかが知っているような朝。大晦日の夜、図書館の灯を消さずに眠ったあなたは、またその扉の前に立っていました。何かを決めたわけでも、強く願ったわけでもない。ただ、“ここに来てもいい気がした”それだけで。🕊 鳩の書架 ― 羽音が届く場所図書館の奥、これまでとは少し違う場所に、白い羽の印が刻まれた書架がありました。近づくと、どこか外の世界とつながっているような、ひらけた空気を感じます。そのとき——ぱた、という小さな音。振り返ると、一羽の鳩が、開いた窓辺にとまっていました。警戒するでもなく、近づいてくるでもなく、ただ「ここにいる」鳩。その佇まいは、希望という言葉にありがちな強さや明るさとは少し違っていました。この書架に並ぶのは、“まだ届いていない未来”鳩の書架に並んでいるのは、分厚い本ではありません。薄くて、すぐに破れてしまいそうな頁。そこに書かれているのは——「これから起こること」ではなく、“いつか届くと、どこかで信じていた気持ち” でした。たとえば、・いつか分かり合える気がしていた関係・今は形になっていないけれど、手放せなかった願い・遠くに置いてきたままの希望・叶うかどうかより、「消えなかった想い」それらは、今すぐ答えをくれるものではありません。でも、不思議と「無理だ」とも書いていない。ただ、“預かっています”そう言われているような感触でした。鳩の言葉 ― 希望は、急がせない鳩は鳴きません。けれど、あなたの胸の奥に、こんな感
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