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龍の尾が風にほどけて観えた日

龍を観ていると、姿のすべてが同じ強さで現れるとは限りません。顔や前足ははっきりしているのに、身体の後ろだけが霞んでいる日もあります。その日、龍は細い雲の間を横切るように観えました。頭から胴までは淡い青灰色の輪郭がありましたが、長く伸びた尾の先は風に触れるたび、白い糸のようにほどけていました。切れて落ちる様子ではありません。消えてしまったとも言い切れません。尾の輪郭と空気の境目が、少しずつ分からなくなっていく。私に観えたのは、その静かな変化でした。薄くなることを、失うことにしない輪郭が薄く観えると、「力が弱くなっているのでしょうか」「大切なものが離れていくのでしょうか」と心配されることがあります。けれど、その日の龍から、弱りや喪失を示すものは観えませんでした。尾は形を保とうとして震えていたわけでも、何かに引かれていたわけでもありません。風の中で境目だけが柔らかくなり、空へ馴染んでいるように観えました。見えにくくなったことと、なくなったことは同じではありません。姿が変わったことと、悪い方向へ進んだことも同じではありません。観えた変化を、すぐに不安の答えへ変えないようにしました。どこまでが龍なのか分からない尾の先を追おうとすると、淡い線は風景の白さに重なりました。ここまでが龍で、ここからが雲だと区切れる場所は観えませんでした。私は何度か意識を向け直しましたが、輪郭は鮮明になりませんでした。見失ったのか、初めから境目がなかったのかも分かりません。鑑定では、分からない部分を埋めるために、説明を作らないことを大切にしています。そのため、「尾の先が風にほどけるように観えます。ただ、どこまで続
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