本棚から、心に残った一冊 第1話『かがみの孤城』
新連載の第1話は、辻村深月さんの『かがみの孤城』を選びました。学校に居場所をなくした少女が、不思議な城で仲間と出会い、心を通わせていく感動のファンタジーミステリーです。この本を読んだ時、私は「居場所」について、すごく考えました。主人公のこころは、学校に行けなくなってしまった女の子です。みんなと同じようにできない。本当は苦しいのに、その苦しさをうまく言葉にできない。そんなこころの毎日が、とても丁寧に描かれています。読んでいて感じたのは、人は弱っている時、正しい答えよりも、安心して息ができる時間を求めているのかもしれない、ということでした。「頑張って」でもなく。「早く元気になって」でもなく。ただ、今の自分を否定されないこと。無理に笑わなくてもいいこと。何も説明できない日があっても、そのままでいられること。それだけで、心は少しずつほどけていくのだと思います。『かがみの孤城』に出てくる子どもたちは、それぞれ違う苦しさを抱えています。でも、誰かと出会い、同じ時間を過ごす中で、少しずつ自分の気持ちに気づいていきます。急に強くなるわけではありません。急にすべてが解決するわけでもありません。それでも、「私だけじゃなかったんだ」と思える瞬間がある。そこが、この物語のとてもやさしいところだと思いました。心が疲れている時って、自分の気持ちさえ、よくわからなくなることがあります。本当はつらいのに、「これくらいでつらいなんて言ったらだめかな」と思ってしまったり。誰かに話したいのに、どう話せばいいかわからなかったり。笑っているけれど、心の中ではずっと苦しかったり。この本は、そんな言葉にならない気持ちを、静
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