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「covid-19下のトリアージ」北里大学医学部2022年2月7日実施)

(1)問題①日本の医師法第一九条第一項は「診療に従事する医師は、診察治療の求があった場合には,正当な事由がなければ、これを拒んではならない」と定めている。これを医師の「応召義務」という。②通常,医師には、患者を救うために、どのような患者に対してもわけへだてなく医療を行うことが求められる。③その点は、洋の東西を問わず、伝統的な医療倫理の基本的な考え方の一つとなってきた。その精神が日本の現行の医師法などにおける「応召義務」の規定につながった。④医師法の規定に関しては二〇一九年に厚生労働省が,「医師が国に対して負担する公法上の義務であり,医師の患者に対する私法上の義務ではない」という通達を出した。⑤応召義務があるとはいっても、従来の解釈と違って,診療時間外や勤務時間外の診療は断って構わないというのである。医師の過酷な労働条件の緩和が目的だろう。しかし、応召義務という原則がなくなったわけではない。⑦医師は病み、傷ついた人の治療の求めに応じなければならない。⑧しかし、そうした応召義務といった考え方からすれば例外として広く知られるようになってきたのが、「トリアージ」という手法だ。⑨トリアージは、大震災や大規模災害の際に、多くの傷病者を外傷や疾病の重症度によって分類し、その分類をもとに,治療の優先順位や患者の搬送順位を決定することを指す。その決定にあたっては、外傷や疾病の重症度ではなく、救命可能性が基準とされる。そこでは、通常の診療では最大限の努力を払って救命処置が行われるような傷病者も,いっさい治療の対象とされないことが起こりうる。すべての患者を救うように全力を尽くすという医療の大原則に外
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