言葉になる前の感情は、色がついている ―パク・チャヌク監督作品から考える、聴くということ
20歳そこそこの頃、「オールドボーイ」を観て、しばらく言葉が出ませんでした。「どうやったらこんな物語を思いつくんだろう…!」…と、衝撃と興奮がごちゃ混ぜになったまま、しばらく画面の前から動けなかったのを覚えています。それから、「復讐者3部作」と呼ばれる「復讐者に憐れみを」「親切なクムジャさん」、そして「渇き」「お嬢さん」「別れる決心」と、パク・チャヌク監督の作品を追いかけるようになりました。今回は、そんなパク・チャヌク監督の作品たちから感じたことを、チャットレディとしてお客様のお話を聴く私の仕事と重ねながら書いてみたいと思います。色彩で語られる、言葉にならない感情パク・チャヌク作品の魅力のひとつが、作品ごとにまったく違う色彩設計です。「お嬢さん」は赤や金といった、妖艶で濃密な色彩に満ちていて、登場人物たちの欲望や駆け引きがそのまま画面の温度として伝わってきます。一方で「別れる決心」は、青やグレーといった寒色系でまとめられていて、登場人物の心の距離感や、触れられそうで触れられない切なさが、色そのもので表現されているように感じました。言葉で説明されなくても、色を見るだけでその人の感情が伝わってくる…。これって、相談を聴く仕事にもすごく通じるものがあります。お客様が話してくれる言葉の裏には、まだ言葉になっていない感情の"色"のようなものがあることが多いんです。焦りの赤なのか、諦めのグレーなのか。言葉そのものだけでなく、声のトーンや間の取り方から滲み出るその"色"を丁寧に感じ取ることも、聴く側の大切な役割だと思っています。「知らなかった真実」に、本人がたどり着く「オールドボーイ」の衝撃
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