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「来年、転勤になるかもしれない」と言われた夜、また私の仕事が動くのかと思った

「来年、転勤になるかもしれない」子どもが寝たあとのリビングで、夫からそう聞いた。まだ決まったわけではない。候補に名前が挙がっているだけで、正式に分かるのはもう少し先らしい。「そっか」そう答えながら、頭の中ではもう別のことを考え始めていた。どこになるんだろう。今の家から通える場所なのか。引っ越すなら、保育園はどうするのか。そして、自分の仕事はどうするのか。まだ何も決まっていないのに、一つの話を聞いただけで、その先にある予定が一気に動き始める。今の職場に入って、ようやく仕事の流れが分かってきたところだった。誰に何を聞けばいいのか。どんな順番で進めればうまくいくのか。会議でも、以前より自然に発言できるようになった。少しずつ仕事を任せてもらえるようになり、ようやく自分の居場所ができてきた気がしていた。だからこそ、転勤の話を聞いたときに最初に浮かんだのは、「またか」という感覚だった。もちろん、夫が悪いわけではない。本人が転勤を望んでいるわけでもない。会社員として働いていれば、そういう可能性があることも分かっている。以前にも環境が変わった経験がある。引っ越すこともできる。新しい土地で仕事を探すこともできる。知らない職場で、また一から人間関係をつくることも、おそらくできる。むしろ、これまでもそうやってきた。だからこそ、自分でも何にこれほど引っかかっているのか、うまく説明できなかった。「まだ決まってないから」夫にそう言われて、「うん、大丈夫」と答える。でも、本当は少しも大丈夫ではなかった。また仕事を変えることになるかもしれない。また新しい環境に慣れるところから始めるかもしれない。今ようやく築き
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