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第5話『アクウェインタンス』

短編連作『かぐや姫』よりー人生には、役目が終わったことに気づく瞬間があります。 この連作は、そんな瞬間を書き留めたものです。第5話『アクウェインタンス』同僚の「アクウェインタンスでいいじゃん」の言葉が帰宅してからもずっと心に引っかかり続けていた。「明日何するの?」という何気ない帰り際の挨拶のときに、彼女は何気なくそう言った。彼女は何も悪くない。ただ私が戸惑ってしまって、「友だちと出かけるの」と言えばよかったのに、「息子の部活の保護者の方とね」と説明したから。私は許されるなら、「友だち」と言いたかったのに、「えっ?友だちなの。」そんな声が聞こえた気がして、自信が持てなかった。 大学生のとき、これから働いて大人になる前に作った最後の友だちは、正真正銘ずっと友だちなんだと信じて疑わなかった。やがて働き方の違いから、結婚のタイミングから、それぞれの繊細な心は以前の友だちの形を続けられるほど心に余裕がなくなるなんてことが起きると学ぶのは、まるで大人になるってことなんだと思えるほどだった。嫉妬という言葉がリアルになり、違いが距離を生み、気付くと周りには同じような服を着た、同じようなことを考えている人ばかりになっていた。それは自分の好みで選んだものではなく、やがて育てたい子供の未来像が似ている大人の集団になっていた。そこで出会う人たちに心を許して、赤裸々に話すことがあったとしても、それは私の友だちなのか、その時にはもう分からなくなっていた。迷っていたのは私だけじゃなかったと思う。仲良くなるとママたちは、下の名前で呼び合うことを好むんだと知ったとき、みんな友だちの距離感を探し求めていて、他人が
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