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新しい何かを足さなくていい。すでに「あるもの」に気づくだけで、心が満たされていく

大人になってからも、なぜかずっと心に残っている温かい光景があります。昔、私の母が出産前の入院をしていたときのことです。毎朝、私が小学校へ登校する時間になると、母は病院の窓辺に立ち、歩いていく私に向かって手を振ってくれていました。入院中という、母自身もしんどかったはずの状況です。それでも毎朝欠かさず、私の姿を目で追い、気遣ってくれていました。当時はその意味を深く考えていませんでしたが、ただ「毎朝見守られている」という確かな安心感だけが、幼い私の心に深く染み込んでいました。親になって初めて気づいた、見守る目自分が親になり、登校する我が子を家の前で見送るようになって、ようやく気づいたことがあります。角を曲がって見えなくなるまで、子どもの後ろ姿をじっと目で追う。自分が「見守る側」になって初めて、あのとき病院の窓辺に立っていた母が、どんな気持ちで私を見ていたのかが本当に分かりました。そこにあったのは、「今日も無事で、いってらっしゃい」という、言葉にすらならない純粋な気遣いでした。特別な成果を上げているから見守るのではない。ただそこに存在している大切な姿を、ただ見守る。そんな温かいまなざしを、私は知らず知らずのうちに受け取っていたのだと思います。「成果」がなくても、私たちはすでに受け取っている日々忙しく過ごしていると、私たちはつい「もっと早く進まなければ」「目に見える成果を出さなければ」と、自分を焦らせてしまいますよね。「自分は何もできていない」と、自分で自分を置いてきぼりにして、責めてしまう日もあるかもしれません。けれど、少しだけ立ち止まって、思い出してみてほしいのです。私たちが今日を生
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