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「風、薫る」を見ながら気づいた、能面の心に、オカメの顔。繕うグリーフは、バレている。

朝、湯呑みを片手にNHKの連続テレビ小説を見るのが、最近のワタシの日課になっています。思えば、これは母がやっていたことだった。母は毎朝、決まった時間にテレビの前に座り、その日の放送を楽しみにしていた。あの頃のワタシは、隣でぼんやり眺めているだけの子どもだったのに、気づけば自分が、あの椅子に座る側になっている。ざっと45年以上も前の記憶💦時間というのは、こんなふうに巡ってくるものなのかもしれない。いま放送されている「風、薫る」は、明治という時代に、看護という仕事そのものがまだ理解されていなかった頃、二人の女性が看護婦として奮闘していく物語。今朝の回で、まだ経験の浅い看護婦「りん」が、患者の死でグリーフに苛まれている真っ最中の話、タイトル「差し出せぬ手」が今週のあらまし。患者の死でショックを受けているはずなのに、りんは黙々と仕事を続け、周囲に気づかれないよう、笑顔をつくり続けていた。心の中では、大きく揺れているはずなのに、それを少しも表に出さないように。能面のように静まりかえった心の上に、オカメのように和らいだ顔を貼りつけているとシマケンに言われ、そんな二重構造が、画面越しにもはっきりと伝わってきた。追って、娘の環にも痛いところを突かれて、涙がこぼれそうになった瞬間、「お腹が痛い」と誤魔化す。その場面を見ながら、私は思った。悲しみを繕うという行為は、思っている以上に、まわりの人に見透かされているのではないか、と。実際、心理学には「感情労働(エモーショナル・レイバー)」という言葉が存在しています。1983年、社会学者ホックシールドが提唱した概念で、本当の感情を抑え込み、求められる表情
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