絞り込み条件を変更する
検索条件を絞り込む

すべてのカテゴリ

1 件中 1 - 1 件表示
カバー画像

スマホが働かないので、代わりに私が休んだ

朝起きたら、スマホが圏外だった。いや、圏外“っぽい”だった。  電波マークが、まるで深夜シフト明けのアルバイトみたいに、  「今日はちょっと…無理っすね…」と、やる気ゼロの姿勢で立っている。再起動してもダメ。  機内モードをオンオフしてもダメ。  最終的に、スマホを両手で包み込みながら  「ねえ、私のこと嫌いになった?」と聞いたけど、もちろん返事はない。  返事されたらそれはそれで怖い。私は焦った。  “連絡が取れない=社会的死”くらいの勢いで焦るタイプだ。でも、ふと気づいた。——そもそも誰からも連絡来てない。焦って損した。  私の人生、思ったより静かだった。さみし。仕方ないので、スマホを放置してコーヒーを淹れた。  すると、いつもより香りが濃い。  お湯を注ぐ音まで、やけにドラマチック。  まるで私の人生が急に映画のワンシーンみたいになった。「電波が悪いと、世界の解像度が上がる説」  私はこれを提唱したい。そんなことを考えていたら、突然スマホが震えた。  通知が一気に20件。  さっきまでの無反応は何だったのか。  急に仕事を思い出した社会人みたいに、慌てて働き始めた。その中に、新規商談の連絡も入っていた。  電波が悪いせいで受けられなかったやつだ。「すみません、電波が悪くて…」と返信しながら、  私はちょっと笑ってしまった。だって、電波が悪いおかげで、  久しぶりに“何もしない時間”を味わえたから。いつもは通知に追われて、返信に追われて、  “今すぐ”を求められている気がして、  ずっと走っているような気分になる。でも、電波が悪いと、強制的に“待つ時間”が生まれる。この“待
0
1 件中 1 - 1