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民話シリーズ3 東北地方の民話 山形編

「雪の声、山の灯(ひ)」むかし、出羽三山のふもとに、雪深い里山があった。冬になると道は白く閉ざされ、音のない世界が広がる。人々は静かに暮らし、山を畏れ、山を敬っていた。その村に、若い山伏見習いの清太(せいた)がいた。修行の途中で村に滞在していたが、「山の神など、ただの言い伝えだ」と、心の中で軽んじていた。ある夜、清太は一人で山に入った。雪は深く、風はなく、ただ静寂だけがあった。やがて、木々の間からかすかな声が聞こえた。「……きこえるか……」清太は立ち止まり、耳を澄ませた。声は風のようで、雪のようで、言葉のようでもあり、ただの音のようでもあった。そのとき、目の前に小さな灯が現れた。青白く揺れる灯は、雪の上に浮かんでいた。灯の奥に、白い衣をまとった影が立っていた。「おまえ、山を疑うか」影は静かに言った。清太は答えた。「山はただの自然だ。神など……」影は灯を差し出した。「ならば、この灯を持ち、山を越えてみよ。 灯が消えなければ、おまえの言葉は正しい。 灯が消えれば、山が語ることを知れ」清太は灯を受け取り、歩き出した。雪は深く、道は見えず、ただ灯だけが頼りだった。やがて、風が吹き始め、雪が舞い、灯が揺れた。「……きこえるか……」再び声がした。清太は立ち止まり、灯を見つめた。灯は小さくなり、やがてふっと消えた。その瞬間、清太の耳に、村人の祈り、山伏の経、雪の音、風の声——すべてが重なって響いた。清太は膝をつき、深く頭を垂れた。翌朝、村人が山に入ると、祠の前に青白い灯が揺れていた。そのそばに、清太が静かに座っていた。それ以来、清太は山を敬い、言葉少なく、祈り深く生きるようになった。村では今
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