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心葉の恋愛相談室から見えた、幸せになる人の共通点 第5話

恋のお話をお聴きしていると、「好きだから、やめられないんです」というお気持ちに出会うことがあります。好きだから待ってしまう。好きだから許してしまう。好きだから、少し苦しくても離れられない。その気持ち、私はとても自然なことだと思います。好きな人のことって、簡単に割り切れないですよね。もう少しだけ信じたい。今度こそ変わってくれるかもしれない。本当は私のことを大切に思ってくれているはず。そう思うと、心がなかなか離れられないことがあります。でも、私はお話を聴きながら、そっと思うことがあります。好きだからこそ、一度立ち止まってもいいんじゃないかなって。立ち止まることは、嫌いになることではありません。あきらめることでも、冷たくなることでもありません。ただ少しだけ、彼ばかり見ていた目を、自分の心にも向けてあげることです。この恋の中で、私は笑えているかな。安心できているかな。私ばかり我慢していないかな。そうやって、一度、自分に聞いてあげる。幸せに近づいていく人は、好きな気持ちだけで突っ走りません。好きなままでも、ちゃんと自分の心を確認できる人です。彼が好き。でも、苦しい。彼を信じたい。でも、寂しい。この人がいい。でも、このままの私で大丈夫かな。そんなふうに、気持ちが揺れる日があってもいいと思います。恋は、白か黒かだけではありません。好きだから全部受け入れる。苦しいなら全部終わらせる。そんなふうに、すぐに答えを出さなくてもいい。一度立ち止まる時間があるから、見えてくる本音があります。本当は、もっと大切にされたかった。本当は、安心できる言葉がほしかった。本当は、ひとりで頑張る恋に疲れていた。その気
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好きだから、 苦しい

凪は、部屋の灯りをつけないまま、スマホを握りしめていた。送った「私も」の文字が、画面の中で小さく光っている。既読は、まだつかない。(……寝ちゃったのかな)そう思った瞬間、胸の奥が、ひゅっと冷える。昨日も、今日も、「また話そう」と言ったのは悠真なのに。期待してしまう自分が、ばかみたいに思えてくる。時計の秒針が、静かに進む。部屋の中は、夕暮れから夜へと、ゆっくり色を変えていく。やがて——ピコン、と小さな通知音。心臓が跳ねる。『ごめん、さっき寝落ちしてた』その一文を見た瞬間、凪の呼吸が止まる。寝落ち。悪気はない。わかっている。でも。(私の「私も」は…… そのまま置いていかれたんだ)指先が、冷たくなる。続けて、もう一通。『最近ちょっと疲れててさ』言い訳ではない。正直な言葉。だからこそ、凪は何も責められない。「大丈夫だよ」そう打ちかけて、消す。本当は、「少しだけ寂しかった」そう言いたい。でも。重くなりたくない。迷惑になりたくない。凪は、深く息を吸う。『そっか。無理しないでね』それだけ送る。送信ボタンを押したあと、胸の奥に、じわっと熱が広がる。やさしい言葉を選んだのに、なぜか涙がにじむ。好きだから、優しくできる。でも。好きだから、苦しい。スマホを胸に抱き寄せて、凪は目を閉じる。暗い部屋の中、赤いリボンが、かすかに揺れた。この恋は、まだ終わっていない。けれど、凪の中で、何かが少しだけ、傷ついた夜だった。
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