回復し始めると、不安が強くなる
少し眠れるようになった。呼吸が、ほんのわずか深くなった。何も感じなかった時間に、違和感が戻ってきた。すると今度は、こう思う。「前より不安になってない?」「むしろ苦しくなってない?」「これ、良くなってるの…?」でもそれは、悪化ではない。回復の初期に起きる、とても典型的な反応。人の心は、ずっと張りつめていると「感じない」ことで自分を守る。感じないほうが安全だったから。考えないほうが生きやすかったから。でも、安全がほんの少し戻ると、止まっていた感覚が再起動を始める。それが最初に見せるのが安心ではなく、不安であることが多い。理由は簡単で、不安は「感じられる」感情だから。完全に凍っている間は、不安すら動かなかった。だから不安が出てきたとき、心はこう言っている。「もう、少しだけ感じても大丈夫かもしれない」これは前進。でも、とても分かりにくい前進。多くの人がここで自分を責める。「またダメになった」「私は回復できない」「結局弱いまま」でも違う。回復は、安心から始まらない。回復は「揺れ」から始まる。安定の前に、必ず揺れる。静けさの前に、必ずざわつく。もし最近、理由のない不安や、小さな違和感が戻ってきたなら、それは心が壊れている証拠ではない。感じられる場所まで、戻ってきた証拠。今日は結論を出さなくていい。前向きにならなくていい。ただ、「今、揺れている私がいる」それだけを、否定せずに置いてあげてほしい。揺れは、回復の入口に立った合図だから。
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