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チャンスは目の前にある。なのに動けない──リスクを取れない自分と向き合うまで

安全な場所から出られないカウンセリングルームに入ってきたサキさんは、どこか緊張した面持ちだった。椅子に座ると、バッグを膝の上に置いたまま、小さな声で話し始めた。「あの...今の仕事、別に嫌いじゃないんです。給料も悪くないし、人間関係も普通で...」サキさんは言葉を選びながら、ゆっくりと話す。「でも、なんというか...このままでいいのかなって。最近、毎晩そればっかり考えちゃって」ダイキ「毎晩、ですか」「はい。布団に入ると、頭の中でグルグル...朝起きると、また同じ一日が始まって。気づいたら32歳になってて...」サキさんの声が少し震えた。ダイキ「『このままでいいのか』って、具体的にはどんなことを考えているんですか?」サキさんは少し考えてから、答えた。「実は...興味のある仕事があるんです。でも、今の会社を辞めなきゃいけなくて...」彼女は一呼吸おいた。「失敗したら、どうしようって」失うものを数え続ける日々ダイキ「失敗したら、何を失うと思いますか?」サキさんは即座に答えた。まるで、何度も何度も自問してきたかのように。「安定した収入...社会保険...今の生活...全部失います」彼女の声には確信があった。ダイキ「全部、ですか」「そうです。新しい仕事がうまくいかなかったら...もう戻れないじゃないですか。年齢も年齢だし。それに、周りからも『なんで辞めたの』って言われそうで」サキさんは、失うもののリストを暗唱するように続けた。ダイキ「サキさん、今、失うもののことばかり話していますね」「え...?」「得られるものについては、考えたことありますか?」サキさんは黙り込んだ。そして、ゆっくりと首
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