言葉にならない世界観をすくい取るデザイン
Designing the Unspokenデザインの仕事をしていると、「言葉では説明しづらいけれど、こんな雰囲気にしたい」というご相談をいただくことがあります。はっきりしたイメージがある人もいれば、漠然とした輪郭しか持っていない人もいます。そして、多くの場合、やり取りの中で少しずつ“本当の意図”が見えてくるものです。私自身、その曖昧な部分を受け止めるときに、和文化で育ててもらった感覚が自然と働いているように思います。■ 言葉にされていない「余白」に宿る意図日本では、昔から“余白”に美が宿ると言われます。掛け軸の構図や茶室のしつらえ、和紙の質感、器の形──余白は単なる「空いた部分」ではなく、見る人の感覚が入り込むための空間です。デザインの打ち合わせでも同じような場面があります。「もう少し柔らかい感じで」「安心できる雰囲気にしたい」「スッキリしているけど寂しくない感じ」これらは明確な指示のようでいて、実は言葉だけでは掴みきれないニュアンスを含んでいます。私はその“言葉に載りきっていない部分”を手がかりに、配色や余白の扱いを調整していきます。たとえば「柔らかい」には、・淡い色味のやさしさ・角を落とした形状の穏やかさ・余白を残す“呼吸”のような空気感など、複数の方向があります。相手の声のトーン、使われた言葉の選び方、迷ったあとの沈黙──そうした細かな温度をヒントに、どの方向の“柔らかさ”を求めているのか判断していきます。■ モチーフ選びは“相手の世界”と“自分の感性”の交差点挿絵やモチーフを選ぶ作業は、私にとっていちばん時間がかかり、いちばん楽しい工程です。依頼者が口にする「イメージ
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