貯金が減る音が、頭の中で鳴り続ける
休んでいるはずなのに
「ダイキさん、おかしいんです」
リョウさん(仮名)は、椅子に座った瞬間、そう切り出した。
「何がおかしいんですか?」
「休職してもう半年になるんですけど...全然、回復してる感じがしないんです。むしろ、前より悪くなってる気さえします」
リョウさんは、手元のスマートフォンを何度も確認していた。
「スマホ、気になります?」
「あ、すみません。銀行のアプリで...残高を確認してしまって」
そう言って、リョウさんは苦笑いを浮かべた。でもその笑顔は、どこか痛々しかった。
「残高、気になりますか」
「気になるとか、そういうレベルじゃないんです。もう、一日に何十回も見てしまう。朝起きた瞬間から、夜寝る前まで。減っていく数字を見るたびに、心臓がギュッと締め付けられるんです」
「死ぬしかない」という声
「リョウさん、今の貯金が減っていくと、どうなると思いますか?」
リョウさんは、しばらく黙っていた。そして、小さな声で答えた。
「......死ぬしかないんじゃないかって」
その言葉を聞いて、私は少し驚いた。でも、リョウさんの表情は真剣だった。
「死ぬしかない、ですか」
「はい。お金がなくなったら、家賃も払えない。食べるものも買えない。そうなったら...ホームレスになるか、死ぬか。そのどっちかしかないですよね」
リョウさんの目には、本気の恐怖があった。
「他の選択肢は、思い浮かびませんか?」
「他の選択肢...?」
リョウさんは首をかしげた。まるで、そんなものがあることすら考えたことがないというように。
「たとえば、生活保護を受けるとか、親族に助けを求めるとか」
「生活保護なん
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