【新堀武司】“頼られる”より、“頼りすぎられない”フリーランスでいたい理由
独立してしばらく経った頃、クライアントから「新堀さんがいないと進まない」と言われたことがある。率直に言って嬉しかった。信頼されている証拠だと思った。けれど同時に、妙な違和感があった。私はいつの間にか、プロジェクトを“回す人”ではなく、“支える人”になっていたのだ。それからというもの、私は「頼られる」よりも「頼りすぎられない」存在でいることを意識するようになった。メガバンク時代、システムは常に「属人化」と戦っていた。特定の人しか分からない仕組みはリスクだ。誰が休んでも止まらないように、仕組みとドキュメントを整える。それが組織の強さだった。でも人間は矛盾している。誰かに頼られたいし、頼られることで価値を感じる。フリーランスになると、その感情はもっと顕著になる。プロジェクトに深く入り込むほど、「自分がいなきゃ」という錯覚が生まれる。けれど、それが長期的にはチームの弱さにつながると気づいた。外資系コンサルにいた頃、上司から言われた言葉がある。「あなたの価値は、自分がいなくてもクライアントが自走できる仕組みを残すことだ」。そのときは実感が湧かなかった。だが今になって、その意味がよく分かる。真のプロフェッショナルとは、自分の存在を必要最小限にする人だ。フリーランスという働き方は、一見“自分中心”に見えるが、実は「自分をどう薄めていくか」という戦いでもある。私は最近、プロジェクトに入るときに必ず最初に聞く。「この仕事のゴールは、私がいなくても回る状態になることですが、それで良いですか?」と。最初は驚かれることもある。でも説明すると、ほとんどのクライアントが納得してくれる。なぜなら、私の役割は
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