自由を怖がる心
「好きなことをやりなさい」「自分で決めなさい」そう言われた瞬間、胸の奥がモヤッとする人がいます。まるで突き放されたような気持ちになる人も。けれどその違和感の正体は、“自由が怖い”という感情です。人は自由を求めながらも、実際にそれを手に入れると不安になる生き物です。なぜなら、自由には責任がついてくるから。誰のせいにもできない「自分の選択」だけが残るからです。もし失敗したらどうしよう。もし笑われたら、間違えたら、誰も助けてくれなかったら。そんな恐怖が、心の奥で静かに膨らんでいく。だから人は、誰かの指示を待つようになります。「こうすれば正しい」と言ってもらえた方が楽だからです。安心できるからです。でも――その“安心”の中に長くいすぎると、自分の声が聞こえなくなります。本当はどうしたいのか、何を感じているのか、少しずつ分からなくなってしまうのです。心理学では、人間には「承認欲求」という本能があるとされています。それは、誰かに認められることで自分の存在を確かめたいという思い。けれどその承認欲求が強すぎると、他人の目ばかりを気にして生きるようになってしまいます。「自分で決めなさい」という言葉に反発するのは、“自分を信じられない痛み”があるからです。そして、“他人に決めてもらえない寂しさ”も隠れています。自由とは、孤独と向き合う勇気です。自分の人生を選ぶというのは、誰かに導かれるのをやめるということ。怖くても、その一歩を踏み出した瞬間、人は初めて「自分」を生き始めるのです。
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