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第8回 日常生活を支配する行動経済学:消費行動、意思決定、時間

行動経済学は、経済学と心理学を融合させた学問であり、人間の心理や行動が経済的な意思決定に与える影響を探求します。近年、その知見は、マーケティング、政策、教育など、様々な分野で活用されています。本記事では、行動経済学が私たちの日常生活にどのように影響を与えているのか、消費行動、意思決定、時間の3つの側面から考察していきます。そして、行動経済学に基づいたヒントを紹介することで、より賢く、より充実した生活を送るための指針となることを目指します。 1. 衝動買い、割引セール、ブランドへのこだわり:行動経済学が解き明かす消費行動の罠 スーパーの特売コーナーでつい目移りしてしまう、限定商品につられて買ってしまう、同じような商品なのにブランド品を選ぶ...。こうした私たちの消費行動には、実は行動経済学に基づいた様々な心理が潜んでいます。 • アンカリング効果: 最初に提示された情報に引っ張られてしまう心理。特売価格の横に定価が書かれていると、高く感じ、特売価格が安く感じてしまう。 • フレーミング効果: 情報の提示方法によって、判断が左右される心理。例えば、「90%の成功率」よりも「10%の失敗率」の方が、同じ内容でもリスクが高いと感じてしまう。 • 損失回避: 利益よりも損失をより大きく感じる心理。割引セールでは、定価からどれくらい安くなっているかを強調することで、消費者を購買に促す。 • ブランドロイヤリティ: 特定のブランドへの強い愛着やこだわり。ブランドイメージや過去の経験に基づいて、合理的な判断よりもブランド品を選ぶ。 これらの心理を理解することで、私たちは衝動買いや無駄な出費を減
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第7回 行動ファイナンス:市場の非合理性と投資の心理学

投資って、なんだか難しそう?実は、私たちの心理が大きく影響しているんです!例えば、友達が美味しいケーキを食べているのを見て、「私も食べたい!」って思ったことありませんか? これが 「群集心理」 といって、周りの人の行動につられてしまう心理です。投資も同じで、周りの人が株を買っているから自分も買ってしまう、なんてことがあります。 でも、ちょっと待ってください! 投資は冷静な判断が大切です。周りの人につられて損をしてしまうのは避けたいですよね? そこで今回は、「行動ファイナンス」 という学問を使って、投資の心理学についてわかりやすく解説します。 市場心理の影響による価格変動 株式市場は、まるで生き物のように日々変化しています。その動きには、経済情勢だけでなく、投資家たちの心理 も大きく影響しているんです。 例えば、以下のような心理が、価格変動を引き起こします。 • 過剰な楽観: 景気が良いと、投資家たちは「これからもずっと株価は上がり続ける!」と楽観的に考え、どんどん株を買います。すると、株価はどんどん上がっていきます。しかし、いつかは景気は悪くなり、株価は下落します。 • 恐怖: 景気が悪いと、投資家たちは「もうダメだ!」と恐怖を感じ、慌てて株を売ります。すると、株価はどんどん下がっていきます。しかし、いつかは景気は回復し、株価は上昇します。 • 群集心理: 周りの人が株を買っているのを見ると、「私も買わなきゃ!」と焦って株を買ってしまうことがあります。これが、バブルと呼ばれる株価の異常な高騰を引き起こすことがあります。 バブル崩壊:市場心理による価格の急騰と急落 バブル は、ま
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第6回 プロスペクト理論:損失回避と期待効用関数の謎

あなたは、100円を確実に手に入れるよりも、50%の確率で200円を手に入れたいと思うだろうか?多くの人が「200円を手に入れたい」と思うのではないでしょうか。しかし、実際に200円を手に入れられるかどうかはわかりません。一方、100円は確実に手に入ります。 人は、利益よりも損失をより大きく感じるという心理があります。これが、プロスペクト理論と呼ばれる行動経済学の理論で説明できる現象です。 従来の期待効用理論と異なるプロスペクト理論 従来の経済学では、期待効用理論と呼ばれる理論に基づいて、人間の意思決定を説明していました。期待効用理論では、人は期待される効用に基づいて意思決定を行うと仮定されています。 期待される効用とは、ある選択肢を選択したときに得られる利益と損失の期待値を、それぞれの確率と効用で重み付けしたものです。 例えば、上記のような2つの選択肢の場合、期待効用理論では以下のようになります。 • 選択肢1:100円を確実に手に入れる o 期待される効用 = 100円 × 1 (確実) = 100円 • 選択肢2:50%の確率で200円を手に入れる o 期待される効用 = 200円 × 0.5 (50%) + 0円 × 0.5 (50%) = 100円 つまり、期待効用理論では、2つの選択肢の期待される効用は同じ100円となります。しかし、実際には多くの人が選択肢1を選ぶでしょう。 これが、プロスペクト理論によって説明できる現象です。 損失回避と期待効用関数の謎 プロスペクト理論では、人は損失を利益よりも2倍以上大きく感じるという損失回避の性質を持っていると仮定されて
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第3回  合理的なはずの人間がなぜ非合理な行動をとるのか?

はじめに私たちは、常に論理的に考え、合理的な判断を下していると思いがちです。しかし、実際には、感情や直感に左右され、非合理的な行動をとってしまうことが多々あります。 行動経済学は、このような人間の非合理な行動を解明し、より賢く、より良い意思決定を行うための指針を示す学問です。 非合理な行動の背景にある心理メカニズム 人間は、以下の心理メカニズムの影響を受け、非合理的な行動をとることがあります。 • 認知バイアス: 思考の偏り。例えば、アンカリング効果(最初に提示された情報に引っ張られる)、フレーミング効果(問題の提示方法によって判断が変わる)、過剰な自信(自分の能力を過大評価する)などがあります。 • ヒューリスティック: 直感的な判断、ショートカット思考。例えば、代表性ヒューリスティック(典型的な例で判断する)、利用可能性ヒューリスティック(思い浮かべやすい情報を重視する)などがあります。 • 情緒の影響: 損失回避、リスク回避、感情的な判断など。例えば、損失回避(利益よりも損失を大きく感じる)、リスク回避(リスクを避けようとする)、感情的な判断(感情に流されて判断する)などがあります。 事例 • 衝動買い: 割引セールや限定商品につられて、本来必要のないものを買ってしまったり、予算オーバーしてしまうことがあります。これは、アンカリング効果や損失回避の影響によるものです。 • 投資判断の失敗: 損失を恐れて損切りできず、損失を拡大させてしまうことがあります。また、過剰な自信からリスクの高い投資をしてしまい、失敗してしまうこともあります。これは、損失回避や過剰な自信の影響による
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第2回 経済学の常識を覆す - 行動経済学が生まれた背景

従来の経済学の限界:合理的な人間という仮定かつて、経済学は人間を「常に合理的に行動する存在」であると仮定していました。これは、人間は常に自身の利益を最大化するために最善の選択をするという考え方です。しかし、実際の行動を観察してみると、人間は必ずしも合理的に行動しているわけではないことが明らかになりました。 例えば、スーパーの特売で、本来必要のない商品まで買ってしまったり、ギャンブルで損失を承知で何度も挑戦したりするといった行動は、合理的な判断とは言い難いでしょう。 行動経済学の誕生:非合理な人間の行動の発見 このような人間の非合理な行動を解明するために生まれたのが、行動経済学です。行動経済学は、心理学や社会学などの知見を取り入れ、人間が実際にどのように意思決定を行うのかを研究する学問分野です。 行動経済学の研究によって、人間は様々な「認知バイアス」と呼ばれる思考の癖を持っていることが明らかになりました。認知バイアスは、人間が情報を処理する際に起こる誤謬であり、それが非合理的な行動につながるのです。 経済学におけるパラダイムシフト 行動経済学の登場は、経済学に大きなパラダイムシフトをもたらしました。従来の経済学では説明できなかった様々な経済現象が、行動経済学によって解明されるようになったのです。 例えば、株式市場のバブル崩壊や金融危機などの現象は、人間の心理的な要因が大きく影響していることが明らかになりました。 行動経済学の父と呼ばれるダニエル・カーネマン:プロスペクト理論の開発 行動経済学の発展に大きく貢献したのが、ダニエル・カーネマンです。カーネマンは、人間の意思決定における
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第1回 見えざる意思決定の科学 - 行動経済学とは何か?

経済学の常識を覆す、行動経済学の登場私たちは普段、無意識のうちに様々な意思決定を行っています。例えば、何を食べるか、何を着るか、どこに行くか、といった些細なことからです。しかし、これらの選択が必ずしも合理的とは限りません。むしろ、感情や直感に左右され、非合理的な行動を取ってしまうことも多いのです。 従来の経済学では、人間は常に合理的に行動し、自身の利益を最大化しようとすると仮定していました。しかし、行動経済学は、この仮定を覆し、人間の心理や行動メカニズムを明らかにすることで、経済現象をより深く理解しようとします。 私たちの日常生活に潜む見えざる意思決定の科学 行動経済学は、認知心理学、社会心理学、脳科学などの学問分野と融合することで、人間の意思決定の仕組みを解き明かします。具体的には、以下のような要素を研究対象としています。 • 認知バイアス: 過去の経験や固定観念に基づいて、誤った判断を下してしまう傾向 • プロスペクト理論: 損失を回避する心理が、利益よりも強く働くメカニズム • 時間選好: 将来の利益よりも、目の前の利益を優先してしまう傾向 これらの要素が、私たちの日常生活における消費行動、投資行動、意思決定などに大きな影響を与えているのです。 行動経済学で解き明かす人間の非合理な行動 行動経済学の研究成果は、様々な分野で応用されています。例えば、 • マーケティング: 顧客心理を理解した効果的な広告・販売戦略の開発 • 政策立案: Nudge理論による社会問題の解決 • 個人 finance: より賢明な投資判断と資産形成 など、行動経済学は、個人、企業、社会全体に大き
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心理カウンセラーが教えるモテの秘術

第1章:なぜ恋愛テクニックが役に立たないのか恋愛における悩みは、男女問わず多くの人が経験することですよね。今回は、心のプロであるカウンセラーの視点と心理学、行動経済学などの知見から、恋愛における悩みとそれを解決し、あなたの魅力が上がるテクニックや考え方、知識を紹介していきます。これを読んでいるあなたは、おそらくモテる恋愛アドバイス系の記事や動画を他にも見たことがある方だと思います。恋愛コーチやナンパ師が教える恋愛テクニック、LINEのテクニック、、挙げればキリがありません。そこで、胸に手を当てて考えてみてください。それらを見て、何か変わりましたか?・・・そう、それが答えです。変わってたらこんな記事なんて開かず、今頃あなたは異性とデートに出かけているはずです。しかし、なぜ変われないのでしょうか?それは、シンプルに難しいからです。どれも言っていることは一定の信頼性と正確性がありますが、それはある程度恋愛慣れしている人だから実践できるわけで、恋愛経験があまりない方が真似できるかというと難しいでしょう。そして何より、そういったコンテンツのほとんどは基本的で重要な部分が抜け落ちています。例えば、自己紹介。自己紹介の本当の目的って、なんだと思いますか?あなたは相手に自己紹介するとき、どんなことを意識していますか?これがわかるだけで、あなたは恋愛、いや人間関係において一つ頭抜けた状態になるでしょう。なので、この記事は誰でも簡単に実践できるテクニックだけでなく、会話に困らない話題や質問のテンプレートなども用意しています。そしてそれらは心理学や行動経済学などの研究によって効果が保証されているので
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あのコトラーがマーケティングの別称だと語った「行動経済学」とは?

あなたは、「行動経済学」を知っていますか? 今回はコピーライティング、マーケティング、マネジメント、自己実現に役立つ行動経済学の話です。 金融投資をやっている人なら「プロスペクト理論」は聞いたことあるかと思います。 この行動経済学を学べば、消費行動にかかわるすべての人に役立つかも知れません。 それでは、行動経済学について解説します。 人の持つ非合理な一面に着目した「行動経済学」とは? マーケティング研究の第一人者、フィリップ・コトラーは「行動経済学はマーケティングの別称にすぎない。過去100年にわたりマーケティングは経済学とその実践に基づく新たな知識を生み出し、経済システムが機能する仕組みに関することに役立てた」と語っています。今までの伝統的な経済学では、 「人はつねに合理的に意思決定し、行動する」という前提のもとに成り立ってきました。 しかし、あなたも経験があるかと思いますが 「非合理な行動」をついついとってしまうのが人という生き物です。 なので、それまでの経済学が提唱する理論では説明がつかない部分がでてきました。 そこで、ダニエル・カーネマンとエイモス・トベルスキーという人が、 1979年に「プロスペクト理論」を発表しました。 この理論は、 不確実な状況下で、実際の人間がどのように意志決定を行っているのか? その解明にフォーカスが置かれていたものでした。 これが、行動経済学の出発点となったのです。 プロスペクト理論が行動経済学の核 行動経済学の核とも言える部分が「プロスペクト理論」という理論です。 では、どんな理論でしょうか? 具体例をもとに、解説していきます。 まず、この
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人の行動を仕組み化してタダで仕事をやってもらった話

私は普段就労移行支援で働いているのですが、思っているよりも事務作業がなかなか多くて毎日チェックすることが多く大変です。ですから常に余計な事務作業が一つでも減らないかということを意識して仕事をしています。幸い私のような下々の者にもある程度裁量が与えられている職場ですので、やり方を仕組み化することでいくつかの無駄を省くことができました。まず一つ目はケース記録の入力。エクセルで利用者ごとにファイルを作って管理しています。とても大事なことですが毎日入力しなければいけないので面倒です。さらに面倒だったのが利用者ごとにフォルダが分かれていたのでそれぞれの Excel のファイルにアクセスするのに何度もクリックが必要で面倒でした。そこで私はエクセルのファイルのショートカットを作って全て一つのフォルダにまとめてデスクトップにファイルを置くことしました。こうすることでファイルを探し出してクリックするというちょっとした手間が減って職場の皆が自分で記録を記入してくれるようになりました。あとは効率化ではないですがウォーターサーバーの前に張り紙を設置したりもしました。水を飲んで健康になりましょうというようなたわいもない内容ですが、その張り紙をすることで水を飲む人が増えました。(水を飲むことは不定愁訴の改善になります)こんな風に強制的にやらせるのではなくより良い選択肢を提示することで自然と相手に良い行動を取らせることナッジと言います。コストコの大きなカートを見るとつい商品を詰めたくなりますが、それも購買行動を加速させるための仕組みのひとつです。このような仕組みを準備しておくことは相手の抵抗感を和らげ行動を
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中小企業経営のための情報発信ブログ319:いつも「時間がない」あなたに

今日もブログをご覧いただきありがとうございます。今日は、センディル・ムッライナタン&エルダー・シャフィール著「いつも『時間がない』あなたに 欠乏の行動経済学」(ハヤカワNF文庫)を紹介します。 著者のセンディルはハーバード大学経済学教授、エルダーはプリンストン大学心理学教授で、2人は行動経済学の成果によって貧困をはじめ多くの社会問題を解決することを目指した非営利組織(アイデアズ42)の共同創立者でもあります。本書は行動経済学に関する多くの実験や研究成果を応用し、行動経済学の知見を一般の人にもわかりやすく解説してくれています。 行動経済学については以前にも説明しましたが、従来の経済学のように「経済主体は合理的な経済人」という仮定を置かず、「実際に人間がどのように行動するのか」を探求し、そこから経済的意味のある面を見出そうとしている経済学の一分野です。人間は従前の経済学が仮定していたような合理的意思決定をする存在ではなく、時に不合理な意思決定をする存在なのだということです。当然と言えば当然のことですが、人間の意思決定はモデル化できるものではないのです。本書は、「欠乏」というアプローチで行動経済学に取り組んでいます。「忙しすぎていつも時間に追われ、却って物事を思うように片付けられない」「それなりの収入があるのに借金を重ねてしまう」「ダイエットしようと度々取り組むが、長続きしない」これらの原因は必ずしもその人に資質にあるのではなく、ある共通の要因、金銭や時間などの「欠乏」が人の処理能力や判断力に大きく影響を与えていたというのです。 普通私たちは時間の管理と金銭の管理とは別問題と考えます
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行動経済学を知ることで節約できるかも?!

行動経済学とはいったいどういうことなのでしょうか? 端的に言うと経済学と心理学を合わせた言葉です。 普段、何気にモノを購入しているときに、知らない間にお店の方のセールスやネット購入、周りの状況から自分の考えが行動経済学に至っていることは多々あるのではないのでしょうか。 単に合理性のみを考えて購入するのは、もしかして少ないのかも知れません。 もし生活費を減らしたいと思っている方は、行動経済学を知ることにより、・ムダな購入を減らしてみる。・もしくは気を付けてみてはいかがでしょうか? 何もかも合理的に購入するのも味気ない気もしますが、 購入した後に後悔するようなことになるとは避けることができるかもしれませんよ。 「少し高いけれど、インスタ映えしそうなスイーツを頼んでしまう」 「遠方へいけば普段購入しないものでもせっかく来たからと買ってしまう」 「50%OFFにつられて、買う予定のなかった食品を買ってしまう」 合理的ではない行動もとっています。 自慢ではないですが、これ全部私がやってしまう行為です。 それでは、例題も使ってもっと詳しく行動経済学の内容に触れてみましょう!アンカリング効果 化粧品やサプリメントなどのHPでよく見かけますが、「通常○○円が、△△%オフの□□円」 と記載されているとどうしようかな買おうかな?て思いますよね。 これが、アンカリング効果を狙っての戦略であると言えます。 一般的な販売価格が知られていない商品やサービスほど、値下げ広告の効果が期待できます。 プロスペクト理論(損失回避性) 人は、損失の可能性がある場面では「損失すること」を回避しようとします。このような
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中小企業経営のための情報発信ブログ274:戦争を考える

今日もブログをご覧いただきありがとうございます。さて、明日8月15日は終戦日です。今日と明日は戦争関連の本を紹介します。 今日は牧野邦昭著「経済学者たちの日米開戦 秋丸機関『幻の報告書』の謎を解く」(新潮選書)と吉田裕著「日本軍兵士ーアジア・太平洋戦争の現実」(中公新書)を紹介します。 今年で戦後77年となり、戦後世代が全国民の85%で戦争の記憶は薄らいできています。しかし、平和を希求するためにも戦争の記憶を消し去ってはいけませんし、これからも語り継がれなければなりません。戦後教育でGHQから植え付けられた自虐的な歴史観は排除する必要があります。ここでは詳しく書きませんが、東京裁判という茶番劇で日本は戦争責任を負わされ悪者にされてしまいました。当時の国際法では国際法に則った戦争は違法でもなく国に与えられていた権利でした。ところが連合国側は、戦後新たな法律を制定しそれに基づいて日本を断罪しようとしたのです。これは明らかに事後法禁止・法の不遡及に抵触します。それでは勝った側は何でもできることになります。現実に東京裁判ではそれが行われたのです。 日本は追い詰められて戦争への道を突き進みますが、国際法上の戦争責任はないとしても道義的な責任は免れないと思います。先の戦争では多くの軍人・国民が死亡し、他国の罪なき人たちをも死に追いやりました。 ではなぜ、日本は戦争に踏み切ったのでしょうか。この答えを示してくれるのが「経済学者たちの日米開戦」です。著者の牧野氏は、摂南大学経済学部の準教授で、近代日本経済思想史の専門家です。 軍部(陸軍)は、昭和15年頃、秋丸次朗中佐が日本の戦力と米英の戦力を
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中小企業経営のための情報発信ブログ267:世界は感情で動く

今日もブログをご覧いただきありがとうございます。今日はマッテオ・モッテルリーニ著「世界は感情で動く 行動経済学から見る脳のトラップ」(紀伊國屋書店)という本を紹介します。著者のモッテルリーニは、ミラノのサン・ラファエロ生命健康大学の論理学・科学哲学主任教授です。行動経済学について以前にも書いていますので参考にしてください。アダムスミスに代表される経済学が扱う人間はホモ・エコノミクスで合理的な判断で行動するものと規定されています。しかし人間というのは合理的な判断に基づいて行動するものではありません。合理的な人間像を前提としていたのでは本当の経済を見ることはできません。そこに、これまでの経済学が現実とかけ離れていた机上の学問に成り果て現実と乖離した一因があるように思います。ダニエル・カーネマンが提唱した行動経済学は、ホモ・エコノミクスのように「完全な合理性」を持っているわけではなく、さりとてランダムにむちゃくちゃなわけでもなく「ある程度の合理性」の範囲内で決断しているとしています。 1.お金の価値は一定ではない  例えば1万円というお金は誰にとっても1万円です。しかし価値は人それぞれ、また同じ人にとってもその時々で価値は違います。  例えば、お金の価値はどのようにお金を得たかによっても大きく左右されます。パチンコや競馬などのギャンブルで得たお金と地道に働いて得た給料とでは価値が違ってきます。ギャンブルで得たあぶく銭の場合、「ラッキー」と思いパッと使ってしまう傾向にあります。一方で地道に汗水垂らして働いて得たお金はありがたく思え、価値を高く見積もっています。  この本に挙げられている
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行動経済学とは?

皆さん、行動経済学はご存じでしょうか?ココナラで出品されている方々はご存じですかね(^^♪簡単に言うと、人の経済活動を心理学の面から分析した経済学です。今日は少し、その話をしたいと思います。解釈レベル理論いきなり難しい用語が出てきましたね。「解釈レベル理論」とは、人は解釈の違いで行動の影響が出ることを示したものです。人は心理的に、近くのものであれば具体的に、遠いものであれば抽象的に考える傾向にあります。遠くから見れば森全体が見えますが、近くだと全体が見えない代わりに木がしっかり見えませんか?そういう事です。例えば、何かについて後悔する時、やってから後悔するのとやってなくて後悔するとではどちらが大きいですか?そして、何かをすれば、具体的に考えられるので、やってからは後悔しますが、時間がたつにつれて忘れてくるので、後悔も小さくなります。逆に、何もしていないと、初めは具体的に考える事はそもそもできないので後悔しませんが、時間がたつと、「あの時、行動していればよかった。」と後悔するようになるのです。時間選好・時間割引率将来に貰えるより、今貰った方が嬉しい事ってありませんか?それが、「時間選好」です。その度合いを示したのが、「時間割引率」です。金額が多少安くてもいいから、すぐにお金が欲しいという人は割引率の高い人、逆に、後でもいいから満額で欲しいという人は割引率の低い人です。割引率の高い人は、簡単に言うとせっかちな人、悪い言い方をすれば我慢弱い人です。例えていうなら、節約に失敗しやすい人。節約に成功したら、その後の人生は楽ですよね。でも、それより、目の前の自分の欲しいものを優先するという
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行動経済学のはなし

当たり前ですが私たちは日々 多くの意思決定を 繰り返して生きています。 ただ、今日の話を聞く事で 実は、私たちは無意識のうちに何らかの 情報や意図のもとに "選択している" つもりが "選択させれている" という事に気付く事が出来るでしょう。 知っている物や見た事がある物を買ってしまう 「TVで見た事ある」 「最近よくみかける」 「友人が使っている」 こうした商品は私たちの記憶に残り 思い出しやすくなります。 なので、値段や品質を細かく調べもせずに 直感的にその商品を選んでしまう傾向にある。 このようになじみのあるものを選択する 意思決定プロセスを 「利用可能ヒュースティック」 と呼びます。たまに街中で見かける宣伝カーもこの 心理効果を利用したマーケティングですね。 同じ音楽を何度も聞く事で親しみやすくなり 好印象を与えて、即売を促しています。 損をすると分かっていてもやめられない 投資したお金や労力、時間に対して 回収できないと分かっていても 「もったいない」 という心理が働き途中で 中断する事が困難になることを 「サンクコスト効果」 といいます。パチンコにハマる人が良い例ですね 今やめれば損失は少なく済む事は分かって いるが、投入した金額を取り戻したい、 損したくないという気持から継続してしまい、 損失は更に大きく膨れ上がります。 表現方法で印象は大きく変わる 栄養ドリンクなどでよく見かける 「タウリン1000mg」といった表記は 「タウリン1g」より多く感じませんか? 実際は同じ分量でも単純に数字の大きい 方を多く認識します。 このように表現の仕方が変わると 印象も大きく
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中小企業経営のための情報発信ブログ99:行動経済学

今日もブログをご覧いただきありがとうございます。今日は「行動経済学」について書きます。従来、経済学では、人間は合理的に行動するものとされ(ホモ・エコノミクス)、消費者行動でも企業行動でも、効用の最大化あるいは利潤の最大化を目的に行動するとされています。しかし、人間は、経済理論が想定するように必ずしも合理的な行動をするわけではありません。ゲーム理論(ゲーム理論の本については後日取り上げる予定ですが)において最後通牒ゲームというものがあります。簡単な例を示します。 A君、B君の二人がいてA君に10万円を渡します。A君は受け取った10万円から自らの判断でいくらかをB君に分け与えます。B君が分け前を受け取ればA君B君共にお金がもらえます。B君が分け前を拒否すればA君B君共にお金をもらえません。A君はB君にいくら渡せばいいでしょうか? B君が従来の経済理論による合理的な経済人(ホモ・エコノミクス)ならば、100円でも、しいて言えば1円でももらえば得になるわけですから、受け取るはずです。しかし、現実にはそのような端金(はしたがね)では受領を拒否する者が多いのです。A君だけが得するのは気に食わないという感情が働くからです。国・文化によって違いがあるようですが、半分近い金額を提示されなければ受け取りを拒否する民族もあるようです。ちなみに日本人は比較的低い金額(15%前後)でも受け取るようですが・・・ このように、人間は合理的な判断を行なわず、感情に従って行動したりするので、従来の経営学の理論が成り立たなくなるのです。人間が不合理な行動をとることを前提とした経済学が「行動経済学」です。ダニエル・
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「なるべく多くの関係者たちに惜しまれながら死にたい」(岡崎体育)「経験則」の更新が老害化を防ぐ。

僕自身、いくつですか?と聞かれて「永遠の18歳ですっ」という往年のボケが、半分でかかったのをぐっと我慢できるので、「まだまだ、永遠の28歳くらいでいけるな」と心の中で思ったりしているのですが(笑うとこです。。。)、これだけ時代の変化が加速して、世界が変わっていくのを目の当たりにすると、あれ?俺ついていけてない、おっさんなってね?と自問する機会が増えています。(引用ここから)おっさん岡崎体育作詞:岡崎体育作曲:岡崎体育変わっていく時代の人波にはぐれてしまって自分と向き合う力は衰えたズレていく世間との軋轢が生じてしまって当たり前のこと解らなくなる前にくたびれた柔らかいソファの座り心地に囚われて誰かが鳴らしてるインターホンに気づかないフリしておっさんおっさん僕はもうおっさんになっただからこそ更新更新素敵に歳をとりたいおっさんおっさん明日はもっとおっさん今を未来を学べる人になりたい枯れていく僕のこの脳はいずれ灼かれるときまでカチコチに固まったままなんだろう句読点過多の言い訳は唾をとばしてんぼんやり宙に舞い過渡期ゆえの多様性に鍵をかけてしまうおっさんおっさん僕はもうおっさんになっただからこそ更新更新素敵に歳をとりたいおっさんおっさん数年後にはもっとおっさん僕をあなたを学べる人になりたい若い子の価値観を恨んだとてもはや僕らの時代のスタンダードは蓋をしてあの日に埋めていこう心を込めたタイムカプセルおっさんおっさん僕はもうおっさんになっただからこそ更新更新素敵に歳をとりたいめちゃ年下の後輩とかにも好かれるようなひとでいたいなるべく多くの関係者たちに惜しまれながら死にたいおっさんおっさん僕はもう
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転職を決意したのに・・・躊躇してしまうあなたへ

こんばんは。 先日梅雨入りした、名古屋は今日も雨が降っています。 適度な雨は自然にとって恵の雨ですが、個人的には・・・洗濯が外に干せないし、仕事や買い物は自転車移動なので、最近は毎日頻繁に天気予報を欠かさずチェックしております。 今朝も仕事に行く際、カッパを着て自転車で移動したのですが、カッパって着ると熱がこもって、もうテンションが一気に下がります。なので、せめて気分を上げてくれる、かわいいカッパを!と思い、楽天でブルーの花柄のカッパを購入してみました(*^^*) 余談が長くなりましたが、今回このテーマで書こうと思ったきっかけは「転職はしたいと思っているけど、なかなか行動に移せない」といったご相談を立て続けにいただいているからです。 私は、投資(為替取引)をプライベートでやっているので「行動経済学」に関する書籍なども読むのですが、今回は行動経済学の中の2つの考え方をご紹介します。今回紹介する考え方は、行動経済学ですが、キャリアについて考える時にも大変参考になると思います。 (参考:サクッとわかるビジネス教養「行動経済学」(新星出版社)) ① 人は将来のメリットよりも、今のメリットを大きく感じる。  A いますぐ1万円もらえる  B 1年後に2万円もらえる あなたは、どちらを選びますか?合理的に考えれば、Bですが、実際には多くの人がAを選びます。 これは現在バイアスが働いている証拠です。 ② 得よりも、損を重く感じる。 (例:1000円勝った時の喜びよりも、1000円負けた時の衝撃の方が大きい)   A 絶対に1000円もらえる   B 50%の確率で、200万もらえるが、残り5
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カイのひとり言(1)

※このブログシリーズは、ポメラニアンのカイの目線で記載します。おかあちゃんが録画したまま観ていなかったTV番組(『シリーズコロナ危機 グローバル経済 回復力の攻防戦』)を見ていたら、「第8章 不確実性の渦の中で」の途中、ケインズの『ハロッドへの手紙』が引用されていた。‟経済学は本質的に道徳学であり、自然科学ではありません。経済学は内省と価値判断を用います。・・・それに加えて、動機、期待、心理的不確実性を取り扱うのです”ぼくは、経済学って科学だと思ってたのでビックリしたけど、すぐになるほどなと納得してしまった。確かに、この20年弱の間に「行動経済学」の理論で、2002年のダニエル・カーネマン、2013年のロバート・シラー、2017年のリチャード・セイラーと、3人がノーベル経済学賞を取り、それまでの合理的人間をモデルに考えていたクラッシックな経済学とは違う、感情のある人間の「あるある行動」をモデル化した理論が主流となってきている。経済学の本質は道徳学、ケインズ先生は改めて凄いなぁと思った次第。犬もやっぱり合理的には行動しない。その時の感情やその場の雰囲気、相手とのことを考えて行動するよ。
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お金に失敗しがちな人がハマる【認知バイアス7選】

はじめにお金の使い方について考えるとき、「なぜこんなにお金が手元に残らないんだろう?」と思ったことはないでしょうか?今月こそ貯金をしようと思っても、月末にはカツカツ。そうして気が付いたら1年があっという間に過ぎ去ってしまった、という経験は?そして、その悪循環を断ち切りたいと、これまでに何度考えましたか?多くの場合このような状況に何度も遭遇すると、自己評価が下がります。なにより、世間的にも「お金にだらしない」という目で見られかねないというプレッシャーもあるでしょう。しかし、これはあなたが悪いわけではありません。なぜなら、お金に関する多くの決定には認知バイアスという脳のクセが関わっており、それは誰しも陥るものだからです。つまり、あなただけではないということです。どんなに賢い人でもバイアスはかかりますし、経済自体も人間の不合理によって動いています。ここで朗報です。認知バイアスは、その存在を知っておくだけでもハマりづらくなります。研究では、バイアスに関する講座を受講するだけで、半年間はバイアスにハマりづらくなっていたという結果も出ているほどです。認知バイアスを理解することは、お金の管理を改善するためにも非常に重要です。というわけで今回は、お金に失敗する人が陥る認知バイアスを7つ紹介していきます。さらに、あなたがお金をムダ遣いしなくなる魔法の質問を最後にプレゼントします。この質問を自分に投げかけるだけで、お金の判断にほぼ失敗しなくなると思います。それくらい強力なものです。楽しみにしていてください。その前にまずは、認知バイアスについてもう少し掘り下げておきますね。第1章:認知バイアスの概要
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