あなたは、「行動経済学」を知っていますか?
今回はコピーライティング、マーケティング、マネジメント、自己実現に役立つ行動経済学の話です。
金融投資をやっている人なら「プロスペクト理論」は聞いたことあるかと思います。
この行動経済学を学べば、消費行動にかかわるすべての人に役立つかも知れません。
それでは、行動経済学について解説します。
人の持つ非合理な一面に着目した「行動経済学」とは?
マーケティング研究の第一人者、フィリップ・コトラーは「行動経済学はマーケティングの別称にすぎない。過去100年にわたりマーケティングは経済学とその実践に基づく新たな知識を生み出し、経済システムが機能する仕組みに関することに役立てた」と語っています。
今までの伝統的な経済学では、
「人はつねに合理的に意思決定し、行動する」という前提のもとに成り立ってきました。
しかし、あなたも経験があるかと思いますが
「非合理な行動」をついついとってしまうのが人という生き物です。
なので、それまでの経済学が提唱する理論では説明がつかない部分がでてきました。
そこで、ダニエル・カーネマンとエイモス・トベルスキーという人が、
1979年に「プロスペクト理論」を発表しました。
この理論は、
不確実な状況下で、実際の人間がどのように意志決定を行っているのか?
その解明にフォーカスが置かれていたものでした。
これが、行動経済学の出発点となったのです。
プロスペクト理論が行動経済学の核
行動経済学の核とも言える部分が「プロスペクト理論」という理論です。
では、どんな理論でしょうか?
具体例をもとに、解説していきます。
まず、この理論の最大の特徴は、
人々の実際の行動を説明する、現実に近い理論ということです。
言い換えると、机上の空論ではなく、
思わず納得してしまうような理論であるということです。
たとえば、次の2つの質問についてあなたはどう答えるでしょうか?
質問1. あなたの目の前で、次の2つの選択肢を選べと言われたらどちらを選びますか?
A:現金100万円が、その場で無条件に手に入る。
B:コインを投げて、表が出たら200万円が手に入るが、裏が出たら何も手に入らない。
おそらくほとんどの人は「A」と答えたのではないでしょうか?
では、第2問。
質問2. あなたが200万円の借金を抱えているとします。
次の2つの選択肢を選べと言われたらどちらを選びますか?
A: 無条件で借金が100万円減額され、借金総額が100万円になる。
B: コインを投げ、表が出たら支払いが全額免除されるが、裏が出たら借金200万円のまま。
おそらくほとんどの人が「B」と答えたのではないでしょうか?
まぁ、どちらも「100%」というワケではありません。
しかし、質問1については、
コインが表に出たら倍の200万円がもらえるにも関わらず、
「50%の確率で何も手に入らない」というリスクを回避し、
「100%の確率で確実に100万円を手に入れよう」という考えが読み取れます。
質問2は、
「100%の確率で確実に100万円を返す」という損失を回避し、
「50%の確率で返済免除を狙う」考えが読み取れますよね。
このことから、ダニエル・カーネマンとエイモス・トベルスキーは、
人は、利益やうれしい結果につながる判断を迫られている時は、リスクを避ける傾向があり、損失につながる選択では、リスクを受け入れやすくなる。
こう指摘していて、これがプロスペクト理論と呼ばれています。
人間は目の前に利益があると、
利益が手に入らないというリスクの回避を優先し、
損失を目の前にすると、損失そのものを回避しようとする傾向(損失回避性)があるということです。
つまり、
人は利益が確実に手に入るときは確実に手に入る方法を選び、
損を抱えた状態だと、損を無くそうとギャンブル的な方に走りやすいという事です。
これらを踏まえて
仕事で使えるテクニックとして、以下のようなものがあります。
・損失をアピールする
マーケティングやコピーライティングなど、
人を動かすには大きく二通りの方法があります。
1つは「ポジティブメッセージ」。
そしてもう1つは「ネガティブメッセージ」です。
たとえば、
このダイエットサプリを手に入れれば、
-5kg痩せて着たかった服が着られるようになりますよ!
というのが、ポジティブメッセージですね。
このダイエットサプリを手に入れ損なえば、ますますダラしない体型になって、
さらにサイズの大きな服を買う出費に迫られるかもしれません。
というのが、ネガティブメッセージ。
マーケティングで、これらのメッセージを
併用するというのはもちろん大事です。
ただし、「損失の悲しみは利益の喜びよりも大きく感じられる」ので
メッセージとして強烈なのは後者のネガティブメッセージなのです。
(除菌スプレーのCMで菌まみれの室内を見せるのはまさにこの手法を使っています)
・返金保証
行動経済学の心理効果のひとつに「保有効果」というものがあります。
具体的には、
「人は一度何かを与えられると、自分のものになる。
そうなれば、
たとえ数分しか経過していなくても、与えられたものを手放せば損失になる」
という効果です。
この効果があるから、
返金保証をしても多くの会社は儲けられるのです。
顧客は一度商品を手に入れると、それを手放すのは損失に感じます。
つまり、顧客が感じている商品の価値は、一度手に入れると購入金額以上になるということです。
どうですか?
これって、全然合理的な判断じゃないですよね?
そうなんです!
行動経済学をひと言で言うなら、
「人は感情でモノを買っているよ」ということを
さまざまな角度から解明する学問なんです。
コロナ禍に利用された「ナッジ理論」
おまけでナッジ理論についても簡単に説明します。
ナッジとは、ひじで小突くことで、
ナッジ理論は、「ひじで軽く小突くように、自発的に望ましい行動を選択するように促す」理論です。
コロナ禍で、スーパーなどでレジでお会計待ちの時に、
床に矢印や、お客さん同士の距離を保つラインが設定されていました。
それを見た私たちは、お店の人に強制されなくても、そのラインや矢印に沿って並び、前の人との距離を保つように行動していたはずです。
このように、主体的に行動しているようでも、
実は無意識のうちに何らかの意図のもとに動かされてしまう、これがナッジの効果なんです。
いかがでしたか?
行動経済学の核である「プロスペクト理論」と「ナッジ理論」についてご紹介しました。
行動経済学の要点を学び、
「人は論理じゃなく感情で買う」ということと、
「人は利益が確実に手に入るときは確実に手に入る方法を選び、
逆に損を抱えた状態だと、損を無くそうとギャンブル的な方に走りやすい」ということを知っていただきました。
ご活用いただければ幸いです。^^
有難うございました。
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