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「浪費と消費」島根大学法文学部後期2025年

(1)問題 ① 「不要不急の外出」「不要不急の仕事」「不要不急のイベント」「不要不急の冠婚葬祭」……。この四字熟語は様々な言葉に付されました。この熟語自体の定義は非常に単純なものであり、広辞苑には,「どうしても必要というわけでもなく、急いでする必要もないこと」と書かれているそうです。 ② 定義を見ると、不要不急が「必要」に関わっていることが分かります。この熟語の核心にあるのは、必要の概念に他なりません。では必要とは何か。必要という言葉は日常でも非常によく使う言葉であるわけですが、その意味するところは意外に①フクザツです。たとえば必要は要請と似ているけれども、かなりニュアンスが違う。要請の場合は、要請する主体が想定されている感じがあるし,また、要請されていることが必ずしも提供されない可能性もまた想定されている。それに対し、必要の場合は、対象が必ず提供されねばならないというニュアンスがある。他にも必要と似ているが異なる言葉と、これを差異化してみることができるでしょう。 ③ 今日,これから必要について指摘してみたいのは、それが何らかの目的と結びついているということです。必要と言われるものは何かのために必要なのであって、必要が言われる時には常に目的が想定されている。目的とはそれの「ために」と言い得る何かを指しています。必要であるものは何かのために必要であるのだから、その意味で、必要の概念は目的の概念と切り離せません。 ④ とても十分ではありませんでしたが、僕はすこしだけ必要の概念について考察したことがあって、それが2011年に出版された『暇と退屈の倫理学』という本です。この本で
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