「独創的研究と流行」大阪大学薬学部2022年
(1)問題次の文章を読み,以下の問いに答えなさい。① およそ,真の意味での研究者を志す人で独創的な研究をしたいと思わない人はいないであろう。世の中に五万とある雑誌に毎週毎月掲載される論文の中に独創的な研究がどのくらいあるかは読者が一番よくご存じである。有体(ありてい)に言うならば大部分の論文は,私自身のものも含めて当然予測されることを確認したり,だいたいわかっていることの穴埋めをしたりという枝葉末節的なものである。その中からできるならば時代を変革するような,これまでの考えを根底から覆すような研究をしたいと考えるのが研究者の最大の楽しみであろう。しかしながら,(ア)何が独創的な研究かという捉え方は人によって少なからず差がある。(中略)② (1)研究者を志す若い人に「何を研究したいか」という質問をすると,ひと昔前は癌を研究したいと言い,昨今は脳を研究したいというのが流行である。古くから研究においては,どのような質問をするのかによって問題の半分は解決されたと言われている。癌だとか,脳だとかいうレベルでは研究の対象としての設問にならないことは明らかである。したがって実際に研究を自分の一生の仕事として作り上げるためにはもっと緻密かつ具体的な設問として立ち上げなければならない。研究をするうえでは実はここが最も難しいところである。「自分はいったい何が知りたいのか」と常に自問自答してきたのが私のこれまでの一貫した研究者人生であったとも言える。ところが,考えてみるとこれは一見矛盾しているように見える。研究とは自分の好奇心を大切にしてそれに向かってまっしぐらに突き進めば必ず重大な疑問にぶちあた
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