絞り込み条件を変更する
検索条件を絞り込む

すべてのカテゴリ

1 件中 1 - 1 件表示
カバー画像

前だけを見ろ#4

その日の深夜、ヒロさんの部屋を訪ねた。「ヒロさん」とぼくが手を振ると「おう」と言ってヒロさんも手を振った。「どうした?」シロキ君が気を遣って部屋を出て行った。ここは4人床の部屋だ。2人しかいないけど。「師弟関係はそのままで」「わかった。なんとなくそうじゃないかと思ったよ」ヒロさんは笑顔で答えた。「ぼく漫画の目標変えようと思うんだ。前は世界中の人を笑顔にって言ったけど。これからは、読んだ人が和む漫画を描きたい」「だいぶ違うな。でも、和むか。いいじゃん」「ありがとう。ハンダさんがね、新しいドラゴンボール描くと良いって言ってた。あんな天才の作品をぼくが描くなんていいのかな?」ハンダさんは超能力者だ。ぼくのキャラの立ち絵の漫画を見て「ドラゴンボール」と言っていた。「いいじゃん。やってみれば」「うん。そうだね」「座るか?」「うん」もう外は真っ暗だ。真冬の闇。「オレは何でもわかる。それは俺が臆病だったからだ。だからこんな風になっちまった」「今、ぼくが何考えてるかわかる?」「ちょっとオレのこと注意した」「当たり」心が読めるヒロさん。これを読唇術と言っていた。まったく……霊媒体質に読唇術に超能力者、厄介な病院に入院しちゃったな。その2日後ヒロさんは無事退院していった。けっこうたくさんの人が送り出しに来た。ヒロさんのカリスマ性だと思った。ヒロさんと握手をした。頑丈な鉄の扉が閉まってゆく、手を振ってるヒロさん。頑張れということか。扉が閉まり少し余韻を味わう。振り向くな!前だけを見ろ!
0
1 件中 1 - 1