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なぜロードスターは「もっと速いクルマ」にならなかったのか

マツダ・ロードスターのスペックを見ると、不思議に思う人もいるかもしれません。「スポーツカーなのに、もっとパワーを上げないの?」世の中には、300馬力、400馬力を超えるスポーツカーがあります。それに対してロードスターは、長い歴史の中で一貫して「絶対的な速さ」とは少し違う場所を目指してきました。では、マツダは何を目指したのでしょうか。答えのひとつが、よく知られている「人馬一体」という考え方です。ただし、人馬一体という言葉だけでは、ロードスターの面白さはなかなか見えてきません。なぜ軽くする必要があるのか。なぜFRなのか。なぜ前後の重量配分にこだわるのか。なぜエンジンの数字だけを追いかけないのか。なぜオープンカーという不利な構造を選び続けるのか。こうして一つずつ見ていくと、ロードスターというクルマが「偶然こうなった」のではないことが分かってきます。速くするだけなら、もっと簡単な方法があるクルマを速くするなら、エンジンを強力にする方法があります。しかし、パワーを上げれば、それを受け止めるためにタイヤ、ブレーキ、ボディ、冷却系などにも余裕が必要になります。すると重量が増える。重量が増えれば、さらに大きなパワーが欲しくなる。ロードスターは、この方向とは少し違います。「速さを足す」のではなく、運転して気持ちいいために、何を残し、何を削るか。そこを考えてきたクルマです。だからロードスターを理解するとき、最高出力や0-100km/h加速だけを見ても、本質はなかなか見えてきません。4世代とも同じではない初代NAからNB、NC、そして現在のNDまで。見た目だけでなく、サイズも重量も構造も変化していま
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