医療者としての私の矜持
医療者としての私の矜持私は「矜持(きょうじ)」という言葉が好きです。辞書には、「自尊心を保ちながら、自分自身を律すること」とあります。単なる「誇り」ではなく、自分を戒めながら仕事に向き合う姿勢。それが私の考える矜持です。私は医療の世界に入り、10年以上になります。多くの方の身体や心と向き合う中で、ひとつ強く感じるようになったことがあります。それは、本当に健全な社会とは、「医療が必要とされない社会」ではないかということです。もちろん事故や災害、救急医療は現代医療が最も力を発揮する分野です。その恩恵によって救われる命が数多くあります。しかし一方で、生活習慣や環境、食事、ストレスなどが原因となって起こる不調まで、医療に頼らなければ維持できない社会は、本来望ましい姿ではないと思っています。野生動物や先住民には「医療」という概念はありません。彼らは自然の中で暮らし、その環境に適応しながら命をつないできました。現代社会では完全に同じ生活はできません。だからこそ、少しでも医療に頼らず健康に暮らせる人を増やすことが、これからの医療者の役割ではないでしょうか。医療者という仕事には、大きな矛盾があります。仕事としては必要とされる一方で、本当の理想は、自分たちが必要なくなる社会を目指すことです。この矛盾を抱えながら、人の苦しみや社会の問題と向き合い続けること。それが医療者という職業なのだと私は考えています。だから私は、症状だけを見るのではなく、食事、生活習慣、考え方、環境、人間関係なども含めて身体を見ています。「治してもらう」のではなく、「自分で健康を守れる身体と考え方を身につける」そのお手伝いをす
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