アクシデンタル・ディグニティ/デビリティについて
アクシデンタル・ディグニティ/デビリティの歴史
1. ヘレニズム占星術(紀元前2世紀~紀元後5世紀)
ヘレニズム時代の占星術では、エッセンシャル・ディグニティの概念が最も重視されました。しかし、天体の影響力は「ハウス位置」や「アスペクト」によって変化するという考えがすでに存在していました。
例えば、クラウディオス・プトレマイオス(Claudius Ptolemaeus) は『テトラビブロス(Tetrabiblos)』の中で、「天体がアングルにあるとき、その力は最大化する」と述べています。
2. イスラム占星術(8世紀~12世紀)
イスラム世界の占星術師たちは、ギリシャの占星術を受け継ぎながら、新しい要素を加えました。例えば、アブー・マーシャル(Abu Ma'shar) や アル・ビルーニー(Al-Biruni) は、天体の配置が個人の運命に与える影響をより詳細に分析しました。
この時代に、「アングル・ハウスの重要性」や「ハウスの品位の概念」がより体系的に整理されました。
3. 中世ヨーロッパ占星術(12世紀~17世紀)
イスラム世界の占星術がヨーロッパに伝わると、特にアクシデンタル・ディグニティが発展しました。
ウィリアム・リリー(William Lilly, 1602-1681) は、ホラリー占星術(質問占星術)の実践において、アクシデンタル・ディグニティを極めて重要視しました。
彼の著書『Christian Astrology』では、「天体がアングルにあること」「マレフィックとのアスペクトがあること」などを詳細に解説しています。
この時代には「逆行」「コンバスト」「ハウスの
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