教養としての現代思想⑤:現代的リベラリズムと共同体主義
自由主義(リベラリズム):社会は自由で独立した個人の集合体であり、個人は自分にとって望ましい生き方を好きなように取捨選択できる存在(負荷なき自我)として捉えられています。
現代的リベラリズム:功利主義の「最大多数の最大幸福」は、集団の利益のために個人の利益を犠牲にする危険性があるため、分配の公正(「公正としての正義」)を図る福祉国家を目指しています。ロールズが代表です。
ロールズ:アメリカの政治哲学者、『正義論』。功利主義を批判し、社会契約説を元に基本的な財(自由・機会・所得などの社会的条件)の分配をめぐる平等の原理として正義を捉え直し、現代思想に大きな影響を与えました。具体的には、各人が自分の能力や境遇について知らない(「無知のベール」)という「自然状態」を想定し、その上で自由競争によって生まれる不平等を克服する思考実験を通じて、不平等を是正する公正としての「正義の原理」を考察しました。
公正としての正義:正義にかなう財の分配のルール。
(1)第一原理:平等な自由の原理。各人は基本的な自由に対する平等な権利を持つ。
(2)第二原理:実際に生じる不平等な条件。社会的・経済的不平等は次の2条件を満たすものでなければならないとします。
(2-1)公正な機会均等の原理:全員に平等な機会を与え、公正に競走した結果の不平等であること。
(2-2)格差の原理:社会で最も不遇な人々の境遇を改善するための不平等であること。
アマーティア=セン:インド生まれのイギリスの経済学者。貧困や飢餓の解決には経済成長を目指すだけでなく、人間の潜在能力を開発することが必要であると考えました。市場経済が経済発
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