グリーフは外から来るだけじゃない。——自分自身を失う、という喪失の話。
これまでグリーフというと、人やペットとの別れ、仕事や立場の喪失について書いてきました。今回は、少し違う角度から。自分自身が変わっていくことへの喪失。。。自分を失うグリーフの話です。グリーフは、外からだけやってくるんじゃない。大切な人を失う。仕事を失う。立場を失う。グリーフというと、外側から何かがなくなることだと思われがちです。でも実は、自分自身の中にある何かが変わっていくことにも、グリーフ(喪失)が存在します。体力が落ちていくこと。若さが少しずつ変わっていくこと。そして、これまで担ってきた役割が、少しずつ形を変えていくこと。誰かに言いにくい喪失です。「年をとるのは当たり前」「それが老化ですよ?」と言われてしまいそうで。でも、そこにもちゃんとグリーフがあります。料理のエネルギーが出なくなった。最近、料理に気合いが入らなくなりました。夫と二人の生活になってボルテージが一気にダウンしたんです……夫には申し訳ありませんが(苦笑)。子育てをしていた頃は、夢中で料理していた。家族のために何かを作ることが、自然とエネルギーになっていた。子どもたちが全員いたあの頃は炊飯ジャーも一升炊きでした。でも今は、2合半で1日がクリアできる。この気合いのなさは「体力が落ちたのかな」と思っていました。でも気づいたんです。あのエネルギーの燃料は、子どもたちだったということに。子どもたちのために、という動機が、私を動かしていた。その燃料が少しずつ変わってきた・・・それも、ひとつの喪失です。子どもたちの世界が、見えなくなった。子どもたちがそれぞれ自分の居場所を作って、帰省することも少なくなり、接点がないのが日常化
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