「本当のこと」はひとつじゃない ―是枝裕和監督の映画から考える、聴くということ。
私は普段、チャットレディとしてゲスト様のお話を聴く仕事をしています。電話やチャットで、色んな人の色んな人生の断片に触れる毎日です。そんな私が好きな映画監督のひとり、是枝裕和監督。これまで「ワンダフルライフ」「誰も知らない」「花よりもなほ」「歩いても歩いても」「空気人形」「奇跡」「そして父になる」「海街diary」「3度目の殺人」「万引き家族」「ベイビーブローカー」「怪物」を観てきました。今年の新作やまだ観られていない作品もあるので、いつか全作品を観られたら良いなと思っています(^^)彼の作品はどれも静かで、正直に言うと途中でうとうとしてしまいそうになるくらい、淡々としています(笑)。でも観終わったあと、じんわりと心に残り続ける。今日はそんな是枝作品の中でも、特に印象に残っている4本を通して、私が仕事の中で大切にしている「聴くこと」について書いてみたいと思います。「ワンダフルライフ」― 人生の意味は、その人だけのもの「ワンダフルライフ」は、死んだ人たちが天国へ行く前に、人生でいちばん大切な記憶をひとつだけ選ぶ、…という不思議な設定の物語です。これを観たとき、「人生の意味って、他人が決めるものじゃないんだな」としみじみ感じました。誰かにとってはささやかな日常の一場面が、その人にとってはかけがえのない「すべて」だったりする。これは相談のお仕事にもすごく通じるところがあります。お客様のお話を聴いていても、「それって大したことないのでは」と思ってしまいそうな出来事が、その人にとってはものすごく大きな意味を持っていることがよくあります。だからこそ、聴く側が勝手に「これは重要」「これは些細」
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