あなたのその「聞き上手」は、誰を守るための仮面ですか?
本来、そのセミナーには全く興味がありませんでした。「仕事に必要だから」と自分に言い聞かせ、義務感だけで参加したあの場所。そこで彼と出会ったことが、私の日常をこんなにも揺さぶるものになるとは、思ってもみませんでした。連絡先を交換してから、1年。時々する通話は、仕事の真面目な相談から、たわいもない趣味の話まで。価値観が似ているのか、気づけば何時間も話し込んでしまっている自分がいました。彼と話す時間は、何よりも楽しくて、心地いい。でも、その心地よさの裏側で、私はずっと「聞き上手で、物分かりの良い女性」という仮面をかぶり続けてきました。本当は興味のなかったセミナーの話だって、彼が楽しそうに話すから。嫌われたくなくて、「すごいね」「面白いね」と、無理に話を合わせてしまう。「彼にふさわしい自分でいたい」と、無意識に背伸びをして、自分の本音を心の奥深くに隠してしまうんです。そんな1年が過ぎた頃、彼から食事に誘われました。「特別な意図があるのかな?」そう期待してしまう自分がいる一方で、私の足はすくんで動けなくなります。今の関係は壊したくない。でも、恋として進展させたい。けれど、彼の気持ちという「確証」がない限り、自分から一歩踏み出す勇気なんて持てない……。相手の気持ちが知れない不安に足が止まり、恋の入り口で足踏みをしたまま立ち止まってしまう。今の関係を壊してまで進む価値がそこにあるのか、嫌われて全てを失ってしまうのではないか。そんな不安が、鋭いブレーキとなって私を引き止めます。彼が「無理させてごめんね」と困った顔をするのが怖くて、今日も自分の本音を後回しにする。「自分の気持ちなんて二の次でいい
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