ビビって行った先は、慈悲の爆音でした
わたしは昔から、野外イベントやライブが苦手でした。まず人混みが苦手ですし、他人と同じ空間で音楽を聞くこと自体がどこか苦行のように感じられてしまい、心から楽しむことができなかったからです。音よりも先に他人が踊る姿が目に入ってしまって、どうにも集中できないのです。そんなわたしですが、先日思い切って野外イベントに行ってきました。晩夏の大冒険結構前から告知されていて、出演バンドにすごく興味があったので、ずっと行きたいと思っていました。雰囲気には馴染めないかもしれないけれど、それでも「あの音」だけはどうしても生で聴いてみたい、この体で確かめてみたい。その思いひとつで、勇気を振り絞って足を運びました。会場を埋める若い世代の熱量と、眩しすぎるほどの「ウェーイ」な空気。その波の中に立った瞬間、案の定「あ、これ完全にアウェイなやつだ……」と一瞬で怯みそうになりました。ですが、そこは重ねてきた年月があります。昔同じように爆音の中にいた頃の記憶を力づくで手繰り寄せて、なんとかその場に足を繋ぎ止めました(笑)。初めての音体験それにしても、目から入ってくる情報が多すぎます。人の輪郭や色彩の密度に、頭の奥がどんどんざわついていくのです。そこでわたしはふと思いついて、メガネを外してみました。すると、急に世界からピントが消えて、ただのぼやけた塊になりました。視覚という情報が引き算された途端、すっと立ち上がってきたのは耳と皮膚の感覚でした。そのまま、音の奥へ潜り込んでいきます。そのとき、初めての感覚がありました。頭皮が、本当にシュワシュワとしびれてきたのです。音の振動が直接皮膚を撫でていくような、ぞくぞくとする
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