ビビって行った先は、慈悲の爆音でした

ビビって行った先は、慈悲の爆音でした

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コラム
わたしは昔から、野外イベントやライブが苦手でした。

まず人混みが苦手ですし、他人と同じ空間で音楽を聞くこと自体がどこか苦行のように感じられてしまい、心から楽しむことができなかったからです。
音よりも先に他人が踊る姿が目に入ってしまって、どうにも集中できないのです。

そんなわたしですが、先日思い切って野外イベントに行ってきました。

晩夏の大冒険

結構前から告知されていて、出演バンドにすごく興味があったので、ずっと行きたいと思っていました。

雰囲気には馴染めないかもしれないけれど、それでも「あの音」だけはどうしても生で聴いてみたい、この体で確かめてみたい。

その思いひとつで、勇気を振り絞って足を運びました。

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会場を埋める若い世代の熱量と、眩しすぎるほどの「ウェーイ」な空気。
その波の中に立った瞬間、案の定「あ、これ完全にアウェイなやつだ……」と一瞬で怯みそうになりました。

ですが、そこは重ねてきた年月があります。
昔同じように爆音の中にいた頃の記憶を力づくで手繰り寄せて、なんとかその場に足を繋ぎ止めました(笑)。

初めての音体験

それにしても、目から入ってくる情報が多すぎます。
人の輪郭や色彩の密度に、頭の奥がどんどんざわついていくのです。

そこでわたしはふと思いついて、メガネを外してみました。

すると、急に世界からピントが消えて、ただのぼやけた塊になりました。
視覚という情報が引き算された途端、すっと立ち上がってきたのは耳と皮膚の感覚でした。

そのまま、音の奥へ潜り込んでいきます。

そのとき、初めての感覚がありました。
頭皮が、本当にシュワシュワとしびれてきたのです。
音の振動が直接皮膚を撫でていくような、ぞくぞくとする気持ちよさでした。

怪しいものは一切やっていません。ただメガネを外しただけです(笑)。

ですが、視界がぼやけたまま音の世界に没入していたものだから、足元の状況なんてまるで目に入っていませんでした。
実は地面が泥でドロドロにぬかるんでいたようで、近くにいた女性が「足元、ぬかるんでるから気をつけてね」と優しく声をかけてくださいました。

完全に見失っていた現実世界に引き戻されましたが、その一言と心遣いがなんだかすごく嬉しくて、そこからしばらく怪しいくらいニヤニヤと笑顔が止まらなくなってしまいました。

わたしもこんなに人を笑顔にさせられる人になりたい、そう思いました。

バンドのトーク担当の方のお話も面白くて、久々に思い切り笑った気がします。

美味しすぎる南インドカレー

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南インドベジタブルカレーも美味しかった!
イベントでこのクオリティはすごいなと思いました。
おねえさんもフレンドリーで最高でした。

素晴らしい一日

苦手だからと諦めるのではなく、勇気を出して飛び出してみること。
そして、ちょっと視界をごまかすような工夫で自分を守ってみること。

それだけで感覚がひらき、ずっと聴きたかった音の深みに触れられたり、見知らぬ人の思いがけない優しさに救われたりするのだと気づきました。

自分なりの視点をほんの少しずらすことで、世界はこんなにも面白いやわらかさを見せてくれます。

勇気を出して行ってみて、本当によかったです。

だれかが言っていました。
「もうやり切ったから、俺はいつ死んでもいいんだ」と。

わたしもその境地になれるように、今を一生懸命に生きようと思います。
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