価値基準(優先順位)を決める 〜criteria〜

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価値観、優先順位、価値基準…
どれも生き方や行動の指針に影響するものですが少しずつニュアンスは異なります。価値観というと比較的長い期間、極端な話 生涯を通して変わらない、揺るぎない信念と結びついている印象もあります。一方、優先順位は当面のタスクをどれから取りかかるか、といったその場その場で変動するものという感覚が強いでしょう。これらに対して価値基準はまた少し違った捉え方の物差しです。
価値観が「変わらない」のに対して価値基準はそれを適用する状況、場面、文脈によって異なる場合が多いものです。従って価値基準を考えるときにはまずどのような状況についてのものなのか、という背景、文脈をはっきり限定して、そのことについて考える必要があります。
その上で自分がその状況で何を大切に考えるか、ということを丁寧に手順を踏んで考えてゆくのが価値基準を決める手続きになります。
順を追ってステップごとに詳しく見ていきましょう。ここでは例として「副業でさらに収益を上げるための新しい取り組みの方法を決める」という状況を設定します。
この状況設定を含めて次の手順で進めます。

・ステップ1:状況、文脈を明確にする
・ステップ2:その状況で大事だと思うこと5〜8個を書き出す
・ステップ3:大事だと思うことの一つずつに対してメタクエスチョンを繰り返す
・ステップ4:上から順番に二つずつを比較する(変化がなくなるまで何回か繰り返す)
・ステップ5:上から順に眺めて鑑賞する
・ステップ6:下から順に眺めて鑑賞する
・できあがった価値基準の使い方と修正について

ひとつずつのステップを順を追って詳しく述べていきます。

ステップ1:状況、文脈を明確にする

まずどのような状況について考えるか、という適用対象の状況、文脈をはっきりさせて書き出します。ここでは冒頭に書いたように、
「副業でさらに収益を上げるための新しい取り組みの方法を決める」
を設定してみましょう。
あなたはある副業に取り組んでいます。すでに作業のルーティンは確立されていてある程度の売り上げも上がっている、しかしもう少し収益を増やすために新しい取り組みを加えていきたい、その具体的な内容を検討するにあたってこの価値基準のワークに取り組んでいるとします。

ステップ2:その状況で大事だと思うこと5〜8個を書き出す

まず、その状況や課題について大事だと考えることを、まずは順不同でいくつか書き出していきます。この段階ではまだ優先順位を考える必要はなく、思いついた順番でかまいません。数は5〜8個くらいが取り組みやすいでしょう。三つでは何かが抜けている感じがするし、10個もあるとこれから先のワークに要する時間が長くなりすぎ、またワークに取り組んでいるうちに同時に上下にまとまって動くように感じるかもしれません。そのように多すぎる場合には同様に動くものをまとめてもいいし、結局同じことを言っているのだなと思える場合には思い切ってどちらかを省いてしまっても構いません。逆に、やはり抜けているものがあった、と気づいたら途中で加えます。
また、誰かにリードしてもらって取り組む時には、リードする人が「これもあるのではないか?」と感じたものをヒントとして「それもあるな」と感じたら必要に応じて自分なりの表現に修正して加えていきます。
例えばこのようなものが順に出てきたとしましょう。

(1)見込める収益に対する投入リソース(時間、外注コスト)がリーズナブルであること
(2)後に残るものであること
(3)有料で利用してもいいな、と思ってもらえるニーズがあること
(4)既存のプラットフォームに乗せて販売できること
(5)購入者がハッピーになれるものであること
(6)自分自身がその取り組みを楽しむことができること
(7)今までの取り組みとのシナジーが期待できること

ステップ3:大事だと思うことの一つずつに対してメタクエスチョンを繰り返す

書き出した「大事だと思うこと」のそれぞれに対して、
「それが得られるとどんな良いこと(Benefit)、メリットがあるか?」という問いをできれば7〜8回、最低でも5回繰り返してみます。だんだん抽象的になったり、質問自体に違和感が感じられたりするかもしれませんが、それでも強いて繰り返していきます。いくつか前と同じ答えが出るかもしれませんが、次で前とは異なるものが出ることもあるので気にせず繰り返します。
詳しい方法はこの記事の最後に関連ブログ「メタクエスチョン」を挙げておきますので参考にしてください。
例えば、上の
(1)見込める収益に対する投入リソース(時間、外注コスト)がリーズナブルであること
についてメタクエスチョン(MQ)を繰り返すと次のようになります。

(MQ)それが満たされるとどのような良いことがありますか?
→ (答え:1回目)タイパ、コスパが上がりより多くのことに取り組める

(MQ)そうなるとどのような良いことがありますか?
→ (答え:2回目)多くの人にそれを届けられる

(MQ)それが実現するとどのような良いことがありますか?
→ (答え:3回目)多くの人をハッピーにできる

(MQ)そうなるとどのような良いことがありますか?
→ (答え:4回目)自分の取り組みが価値あるものと感じられる

(MQ)そう感じられるとどのような良いことがありますか?
→ (答え:5回目)自分がまだ何かを成し遂げられていないという感覚がやわらぐ

(MQ)そのような感覚がやわらぐとどのような良いことがありますか?
→ (答え:6回目)今の自分が価値あるものと感じられる

(MQ)そう感じられるとどのような良いことがありますか?
→ (答え:7回目)自分の人生が価値あるものだったと感じられる

同様に残りの(2)〜(7)でもこれを繰り返します。

ステップ4:上から順番に二つずつを比較する(変化がなくなるまで何回か繰り返す)

このワークはもともとの形は少し広い場所で体を動かしながら実施するものです。それが可能ならば、ハガキサイズくらいの紙に大きな文字で一つずつ書き出して床の上に前後に歩幅くらいのスペースをとって順に並べます。とりあえず書き出した順に遠い方から近い方に自分の前に床の上に置きます。

そして上から順番に二つずつ(その二項目だけ)を比較して逆だと思ったらそれらのカードの順番を入れ替えます。
広いスペースを使って床にカードを並べた時を想定すると、
まず2番目のカードの位置に立って、1番目と2番目だけを見て、それを次のように比較しましょう。
「1番目が得られれば、2番目は無くてもよいですか?」
このように極端な文言で比較をすることでまずは強制的に順番を決めていきます。この時、下位になったものも後で意味を持たせますので「いや、それは困るな」と考えずにまずはこの文言に従って順番を決めます。
1番目と2番目の比較が終わったら順に2番目と3番目、3番目と4番目…と繰り返して最後までいきます。この時一度も入れ替えが起きなかったらこれで完成ですが、入れ替えが生じていたら、再度一番上から同じ作業を行ない、どこにも変化がなくなるまで続けます。

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例えば、並べ替えの結果このような順番になったらこの全体のセットがこの状況についての今の価値基準ということになります。
(2)後に残るものであること
(5)購入者がハッピーになれるものであること
(6)自分自身がその取り組みを楽しむことができること
(3)有料で利用してもいいな、と思ってもらえるニーズがあること
(4)既存のプラットフォームに乗せて販売できること
(7)今までの取り組みとのシナジーが期待できること
(1)見込める収益に対する投入リソース(時間、外注コスト)がリーズナブルであること

ステップ5:上から順に眺めて鑑賞する

順番決めが終わったら、上位のものから下位のものに向かって順番に眺めていきます。これが当面のその状況における「大事なこと」の順位ということです。丁寧に比較を行ってきましたのでこの順位は納得がいくものになっているはずです。

ステップ6:下から順に眺めて鑑賞する

次に、ここがこのワークの面白いところですが、順位が低い下のものから上に向かってステップ5とは逆の順番で眺めていきます。この時は、「より順位が低い下のものが上のものを支えている」と考えてみます。こうして意味づけをしてみると不思議と意味が通って感じられるものです。この感覚をじっくりと味わってみてください。

できあがった価値基準の使い方と修正について

このようにして完成した価値基準のセットは、必ずしも何かの優先順位を決めるに当たって絶対に守らなければいけないという性質のものではありません。ステップ6で下から順に眺めて「下のものが上のものを支えている」という意味づけをした時に感じる「なぜか逆に見ても理にかなっている」ことからも絶対的な優先順位ではないことは納得できるでしょう。

また、最初に状況や文脈を設定したことからわかるように、さまざまな環境の変化や新しい情報が得られた、といった状況が変われば当然、順番も採用する要素も変わってくるという流動的なものです。このような時には改めてこのワークの必要な部分をやり直すことで随時修正していって現在の状況に合ったものにバージョンアップしていきます。

このような「流動的な」価値基準は不変の物差しとしてというよりも、これを明らかにしておくとざまざまな局面で迷うことが少なくなり、物事をすっきりと決められるようになるという性格のものと考えると良いでしょう。
こんな柔軟さもあってか、このワークは私がコーチングを学んだスクールでの受講者同士の練習コーチングでも人気のワークでした。
みなさんもいろいろな局面で自由に活用してみてください。

(参考)机上やPC画面での方法

上のワークでは「床の上にカードを置く」という想定で書きましたが机上やサポート役の人とオンラインで繋がっている場合などではPC画面を使っても行うことができます。机上であれば付箋紙(ポストイット)に項目を一つずつ書き出してノートや紙の上に順番に並べて入れ替えれば同様のことが行えます。画面上なら適当なエディタなどで1行1項目で書いたものを上げ下げすれば同様です。どちらの場合も二つだけを見てそれだけで比較するという点に注意してください。あとはスペースを使って行う場合と同様です。

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