「コーチ」を自称したり、コーチの仕事を業として行うこと自体はその行為を取り締まる法律があるわけではないので個人の自由です。もう少し厳密な表現をすれば、コーチングという行為は医療行為のように医師以外が行うことが禁じられている「業務独占」でもなければ、「コーチ」を標榜すること自体が法律に違反する「呼称独占」でもありません。その意味では「コーチ」を名乗った者は全て「コーチ」ということです。
細かいことを言うと、コーチング関係の用語で例えば「NLPコーチング」は一般社団法人日本NLP能力開発協会が権利を登録している登録商標ですので同協会から許諾された組織や個人以外はこれを用いることができません。私が認定を受けている、
Japan NLP Association 認定「NLPプロフェッショナルコーチ」
の名称もあえて「プロフェッショナル」を入れて、混同を避けています。
このように自由に標榜できる「コーチ」ですが、守るべきとされる倫理規定がプロコーチの国際組織であるICF(International Coaching Federation:国際コーチ連盟)によって定められています。(※下記「出典」参照)
これはコーチが業務として、つまりプロコーチとして活動するに当たって守るべき事柄を規定しています。前文や用語の定義に始まり28項目にわたって詳細な規定が続きます。テキスト本文は原典に当たっていただくとして、いくつか重要な項目を引用します。(日本語訳【太字】はICFジャパンのホームページから引用)
3. 合意されたとおりに、すべての関係者との間で最も厳しいレベルの守秘義務を維持します。(後略)
組織コーチングなどで、費用負担主である組織(=クライアントの雇い主:スポンサー)に対してコーチング経過を報告することが求められる場合などでは、コーチングの経過をスポンサーと共有することについてコーチングの開始前にあらかじめクライアントから明示的な合意を得るべきです。
18. 利益相反または潜在的な利益相反について、関係者と共に問題に向き合う、専門家の支援を求めるか、一時的に中断するか、あるいは専門的な関係を終了するなどにより解決します。
利益相反というのは例えば、コーチとクライアントが同じ分野の事業を行っていて競合関係にあり、クライアントの利益を損なうことがコーチの利益につながる、といったケースが該当します。
また、いささか極端なケースですが、クライアントが開示したビジネスモデルをそのままコーチがコピーして利益を上げる、といったような場合も同様です。
24. クライアントまたはスポンサーと性的または恋愛関係を持ちません。私は関係性に適した親密さのレベルを常に意識します。そのような問題については対処するか、もしくは契約関係を取りやめるために適切な措置を講じます。
コーチングの過程で個人的な情報を開示されたり、また本来は控えるべきこととはいえ、「導く」という立場に傾きがちなことを背景としてコーチはクライアントとの間にロマンティックな関係を持つべきではありません。
規定全体ではかなりのボリュームになりますが業としてコーチングを行おうとする時には一度は目を通して、それぞれのコーチングスタイルに必要な契約や合意の方法を決めてから実際のコーチングにとりかかることが求められます。
出典:icfjapan.com/icf-code-of-ethics
ICFジャパンのホームページからメニューバーの「コーチングについて」→「プロコーチの倫理規定」で英語の原文と日本語訳を対照で見ることができます。