不動産仲介業のフランチャイズについて考察

記事
コラム
過去に、ご相談のあった内容を少しだけ紹介いたします。






相談内容

現在は会社員で年収は約1,000万ほどです。独立における自己資金も約1,000万程準備しています。構想として、50歳までに会社を辞めて事業または投資で生計を立てたいと考えています。今後、宅建の資格を取得予定です。
そこで、様々なフランチャイズを検討したのですが、某不動産事業のフランチャイズ加盟をして不動産仲介業で独立したいと考えています。

同社フランチャイズシステムの悪いところがあるのかどうかを知りたいです。
すでに、同社のフランチャイズ担当者と個人面談にて話を聞いています。初期費用2500万円程必要、営業マン数人を雇用、半年くらいは売り上げがたたないことも想定し、日本政策金融公庫での資金調達は考えています。まじめにやれば、1~2年で初期費用を回収と聞いています。ほかにも良い話をたくさん聞きましたが、どう思いますか?






回答内容

某不動産仲介事業フランチャイズの実態をお伝えいたします。
これからお伝えする内容は、内部スタッフからの情報ですので、かなり信憑性は高いと思います。

某不動産事業FC本部の開業後サポートについてですが、基本はないに等しいようです。FC契約時に、オプションでSVの派遣パック(3か月、6か月、12か月)を購入し支援をしてもらう仕組みとなっています。開業後の本部サポートはほとんどないですが、開業前の初期研修でみっちり教え込まれるフランチャイズチェーンのようです。

初期費用の目安は2,500万~3,000万で、オープン時は店長+営業2名+事務員1名の計4名体制が一般的とのことです。収益については、3か月目あたりから売り上げが立ち始め、早くて8カ月で単月黒字、2.5年~3年で+に転じるといったスピードのようです。実際には、目論見通りには進んでいない加盟店さんが多いとのことです。

加盟後に収益をあげられているのは、元々不動産業やリフォーム業などの関連事業を経営されていた法人がほとんどです。また、個人であれば関連業界の営業や他業種の営業職の方も成果を上げている方はいるようです。
全くの未経験者であれば、成功の確率は低いと判断できます。現在は、フランチャイズに加盟いただくオーナー募集に力を入れている状況で、あるいみ開業屋に近いと感じます。

事業リスクとしては、雇用した営業マンに左右される事業だという点があります。また、同業者がかなりの数いる業界のため、消費者側から見るとどこも大きな差別化はできていないと判断されやすい点です。
併せて、教育産業と同じくらい事業運営時のクレームが多い点も手間(コスト)となりうる可能性が高いです。

某不動産仲介事業が悪いわけではありませんが、個人から初めての独立事業であればリスクが高いと言わざるを得ません。
ただ、自己資金として1,000万円以上を開示できるようであれば資金調達に関しては公庫と銀行の協調融資で1,500万円程は十分に調達可能だと思います。

引き続き、加盟検討をされる場合は、本部スタッフに上記内容の事実確認をおこない、その反応を見てください。また、すでに加盟されている店舗のオーナーに話を聞かせてもらう段取りを担当者に依頼してください。その際のポイントは、収益がきちんと出ている店舗を紹介していただくことです。その時の反応をみて判断できることも多々あるためです。


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