人生を最悪にする記憶の罠(ピークエンドの法則)

記事
学び
皆さま

いかがお過ごしでしょうか。
本日はピークエンドの法則について紹介します。

簡単に言えば、途中経過の気持ち、経験などは忘れてしまい、ある期間の中で最高(最低)の瞬間と最後の記憶のみで総合評価を下してしまうことです。

例えば、ある痛みのある10分の治療法があり、それを患者にどれがより痛いか評価させます。以下は1、5、10分後の痛みレベルを表しています。
①3→10→7(最初だけ痛くない)
②10→3→7(途中だけ痛くない)
③7→10→3(最後だけ痛くない)

上記を評価させると、一番痛くないと評価されるのは③のパターンだそうです。人の記憶は面白いもので、思い出すときには痛みのピークと最後の記憶で総合評価してしまう癖があります。結果、

①10(ピーク)と7(エンド)の記憶が残る
②10(ピーク)と7(エンド)の記憶が残る
③10(ピーク)と3(エンド)の記憶が残る
となり、最後に3で終わる治療法の方がより痛くなかったという評価になってしまいます。


別の実験ではある学生に春休み中の出来事を毎日記録、評価してもらいました。そして春休みの最後に全体を各自の記憶で振り返ってもらい、もう一度この春休みを繰り返したいかと聞きます。春休み中にはそれは大小いろんな楽しい経験もしたはずです。

結果は、もう一度繰り返したいかどうかは統計で解析した結果、途中の評価など関係なく、最後の総合評価、つまりその人の記憶のみで決まってしまいました。その記憶は、何を覚えているか?。それは休み中の楽しかったピークの記憶と最後の印象で決まります。これがピークエンドの法則です。休み中の一番楽しかった記憶と最後の印象が全体の感想を決めます。終わりよければすべてよしではないですが、こうなると休みの最後に一番楽しいイベントを持ってくると良い印象を残せるのかもしれません。

という風に、人間には思考の癖があります。
仮に今一番いやな記憶のピークだとすると、それだけで人生は最悪だという風にとらえてしまうかもしれません。ただ、人生は今の数日、過去の一番いやな日の数日だけではありません。その他にも楽しかった、何も不安などない沢山の日々があったはずです。

とはいえ人間はこういった記憶をきれいに忘れてしまいます。その意味で日記を書いて、自分のメンタルの変化を追うことで人生に対する誤解を防げるようになるかもしれません。

また、例え今が最悪のエンドかつピークだとしても、時が立てば新しい記憶がどんどん上書きされていきます。そして新しい最高のエンドが現れればたちまち人生の評価はコロッと変わってしまうかもしれません。

そういう日が来るのを信じて、時が忘れさせてくれるのを信じるというのも一つの戦略かもしれません。
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す