毎回同じシーンが繰り返される
「使用期限切れてた…」
「誰か発注した?」
「え、造影剤在庫切れ?!」
「今月思ったより消費早くて…」
医療関係の現場で15年。
この会話を何百回と聞いてきました。
勤務していたクリニックでも、公益財団法人のようなご立派な施設でも、、、
在庫管理の問題は驚くほど同じパターンで起きています。
現場で繰り返される3つの問題
**① Excelの限界**
Excelで作りこまれた在庫管理表。でも実は部署ごとに違う。
それは誰か詳しい人がたまたま作ってくれただけ。。。
基本はExcelシートから紙出ししてから作業。
しかも共有Excelになれば同時編集に弱く、気づけば
バージョン違いのファイルが複数存在してしまいます。
誰かが更新した瞬間に他の人の作業が上書きされる。
がんばって運用でカバーしようとするほど、しんどくなるやつです。
**② 期限切れは「棚卸しの日」に発覚する**
造影剤、医薬品、消耗品…
使用期限が品目ごとにバラバラな施設で、
Excelや目視管理には限界があります。
廃棄コスト+緊急発注の手間+ヒヤリハット報告。
「今月やっちゃった…」が繰り返されます。
**③ 発注が一括管理されず属人化している**
本来、一元管理されるべき在庫管理。
システムがないために各部署任せにされている。
引継ぎはExcelシートの置き場と運用方法から確認。
全て担当者に一任されます。
申請から承認までの流れが人の頭の中にしかない状態では、
誰が引き継いでもゼロリセットされます。
解決を想定して作ったもの
これらをまとめて解決するために、
Webブラウザで完結する在庫管理システムを開発しました。
医薬品・造影剤・消耗品・備品を含む86品目を
カテゴリ・業者・保管場所・部署で一元管理します。
もちろんシステムで全て繋がっておりますので、運営部門とも情報が共有され
いつでも納品・使用・在庫切れ・期限切れ・廃棄まで一括管理できます。
## 機能①:期限アラートで「気づかなかった」を構造で防ぐ
> 期限切れ:11件 期限間近(30日以内):0件
このように、期限の状況がリアルタイムで数字に出ます。
タケキャブ錠20mg(2025年11月5日 期限切れ)
ウログラフィン76%(2026年1月4日 期限切れ)
造影剤 イオメロン300(2026年2月26日 期限切れ)…
品目ごとに使用期限が管理されており、
「棚卸しで初めて気づく」は構造上起きません。
しかも、リスト画面からそのまま
「廃棄申請する」ボタンを押せるため、
発見→対処の手間が最短で完結します。
これで予め発注しておくこともスムーズにできます。
## 機能②:AIが発注書を自動生成する
これが、このシステムの一番の差別化ポイントです。
発注が必要な品目にチェックを入れて
「AIで文案を生成」ボタンを1回押すだけ。
─────────────────────
【医薬品卸A社 御中】
いつもお世話になっております。
下記の通り発注いたしますので、
納品のほどよろしくお願い申し上げます。
【発注明細】
1. オムニパーク350(M-1002)
×8個 @¥9,200 = ¥73,600
2. ムコスタ錠100mg(M-2003)
×25個 @¥28 = ¥700
【合計金額】¥75,000
─────────────────────
品目名・品目コード・数量・単価・合計金額が
整った発注書が数秒で仕上がります。
メール文面・PDF・Excelの3形式で出力できるため、
そのまま業者に送れる状態まで完成します。
「発注書の書き方がわからない」スタッフでも
即戦力で使えます。
(出力形式やテンプレ文面は利用企業に合わせて編成できます)
## 機能③:自然言語で在庫を質問できる
「在庫が少ない物品を教えて」と話しかけるだけで、
AIが在庫データを読んで一覧で返してくれます。
SQLもExcelの関数も不要です。
ITに詳しくないスタッフが多い現場でも
問題なく使える設計にしました。
AIに話しかける楽しさから生まれた遊び心みたいな機能ですが、
口だけで在庫管理全部やってくれるAIが存在したら嬉しいですよね。
早くそんな未来が来ないかな。。。
現場15年で学んだ「定着するシステム」の設計思想
単に機能を詰め込んでも使われません。
かゆいところに手が届かないシステムのなんと多いことか。
現場で繰り返し見てきた失敗から、こだわった点があります。
**閾値・使用期限は品目ごとに設定する**
毎日使う消耗品と、月1回しか使わない造影剤では
管理の粒度が違います。一律ルールでは現実に合いません。
**承認フローは「邪魔しない」設計に**
フローが複雑すぎると、みんなが裏ルートを使い始めます。
申請1クリック・承認1クリックにこだわりました。
**ロールは3種類に絞る**
管理者(運営)/部署担当者/閲覧者(現場スタッフで実際の物品使用者)
これ以上細分化すると権限管理が属人化します。
**アラートからアクションまでを1画面で完結**
「気づく画面」と「対処する画面」が別々だと、
必ずどこかで手が止まります。(ページの開きなおし)
期限アラート→廃棄申請、不足アラート→発注申請まで、
発見した画面でそのまま動けるように導線設計しました。
同じ課題を抱えているなら
他にも紹介しきれない、
入庫・出庫・集計作業・管理者の部署/物品/職員管理機能や棚卸機能など。
現場を想定していたら盛り込みすぎた感もありますが、、、
でも日々の現場仕事って、ここまで含めないとシステム化は難しい。
現場が回らない。作ってみて気づかされました。
「そろそろExcelから卒業したい」
「既製品の機能では現場に定着しない」
「予算を抑えて、うちの施設に合った仕組みを作りたい」
そういったご相談、乗っています。
現場を知っているエンジニアとして、
導入後に使われ続ける設計から一緒に考えます。
お気軽にご相談ください。