不安から少しだけ自由になるために

記事
コラム
「明日うまくいかなかったら、どうしよう」
「この先、ちゃんとやっていけるのだろうか」
その不安のほとんどは、まだ何も起きていない「未来の話」

でも、心配事の9割は実際には現実にならない——
そんなこと聞いたことはないでしょうか?

そんな研究や知恵が、心理学や仏教の世界には積み重なっています。
今日は、自分の経験したことも踏まえ、不安について整理してみたいと思います。

人事の仕事で見てきたこと

以前、私は人事の仕事をしていました。
その中で新卒1~3年目社員と定期的に面談をするという役割がありました。

面談では、さまざまな苦しさや不安を話してくれました。

面談で聞かせてもらった声には
「自分は大学院を出て、英語も得意で、自分が興味があって得意を活かせる部署に第一希望を出した。でも希望順位が最後の部署に配属された。配属の理由も説明されない。現実を受け止めるのが苦しい。」
「所属チームが変わり、新しいチームの人となかなか連携が取れなくて苦しい。」
「仕事にやりがいが見出せない。転職も考えているけど、転職エージェントに相談したら、今の会社ほどの待遇で紹介できるところはないと言われてしまった。」

私はその話を真正面から聞きました。
その人がその瞬間に感じている気持ちに寄り添いながら、時には胸がいっぱいになりながら。

正直に言えば、もどかしさもありました。
人事の末端の私にはなにもできない。せいぜい話を聞くことと、担当部署に状況を共有することくらいしかできない・・という無力感です。

数ヶ月後、彼らに起きていたこと

面談から数ヶ月後に再び話す機会があったとき、私は驚きました。
あれほど苦しそうだった彼らが、あの不満は一体何だったのか・・というくらい、すっきりした表情をしていたのです。

「あの時はすごく苦しかったけど、環境が改善された。」
「尊敬できる上司に出会えた。」
「今はここに配属されてよかったって思えています。」

恐れていたことは起きなかった。
時間とともに、環境が変わり、自分の見方も変わり、気がつけば苦しさが消えていた——彼らの多くが、そう話してくれました。

彼らが教えてくれたのは、「苦しいことは、永遠には続かない。」
人事の現場で、私が何度も目の当たりにした現実でした。

「今」ではなく「未来」に苦しんでいる

あなたの目の前には静かな部屋があり、安定した床があるだけのはずです。
私たちは「今」を生きているようでいて、意識の多くをまだ存在しない「未来」へ向け、そこで作り上げた影に怯えています。
仏教ではこれを「妄想(もうそう)」と表現するそうです。
自分で書き上げた悲劇のシナリオに、自分が震えている状態です。

脳は、あなたを守ろうとしているだけ

「なぜこんなに不安になってしまうんだろう」と自分を責める必要はありません。これは脳の設計の問題です。
原始時代、「最悪の事態を先読みできる個体」だけが生き残れました。
脳はその過程で進化した予測マシンです。
現代では命の危険がない場面でも、仕事のミスや人間関係の空気感に対して、猛獣から逃げるときと同じアラートが鳴ってしまうのは脳の仕組みです。

不安を「消そう」とするのをやめてみる

「考えてはいけない」「ポジティブにならなければ」
強引に抑え込もうとすればするほど、逆に不安は大きくなります。
仏教が教えているのは、不安と戦うのではなく、ただ「見る」という技術です。
・「あ、自分は今、未来への不安という妄想を抱いているな」と、心の中でそっとつぶやく
・感情を否定せず、「そこにある」とただ認める
・「不安を感じている自分」を観察する視点に切り替える

「不安を感じている自分」を客観的に認識した瞬間、
渦中の当事者から、土手から川を眺めている観察者へと変わります。

思考が暴走したら、身体を「錨」にする

・鼻を通る空気の温度、肺が膨らむ感覚をただ感じる
・スマートフォンを握っている手の圧力・温度に意識を向ける
・足裏が床に触れている感覚、椅子にかかっている体重を意識する
とにかく「今ここにある」ものに意識を向けてください。

これらは「思考」ではなく「事実」です。
五感で物理的な事実にアクセスしている間、未来の妄想を紡ぐことができなくなります。

「今できること」だけに、エネルギーを向ける

結果や相手の反応(コントロールできない)→ 手放す
今この瞬間の自分の行動(コントロールできる)→ そこに集中する

未来は、「今」の積み重ねとしてあらわれます。
今を穏やかに生きることが、最も確実な未来への備えです。

私もこの先のことを考えて不安になってしまうことがありましたが、
「苦しさは永遠には続かない」と思えるようになりました。

もし今、話せずに抱えていることがあるなら。ただ聞いてもらうだけで、少し楽になることがあります。
私の経験がお役に立てたら嬉しいです。

サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す ココナラコンテンツマーケット ノウハウ記事・テンプレート・デザイン素材はこちら