こんにちは、かっきーです。 前編では、福祉の仕事の全体像と「ケアワーク」「ソーシャルワーク」の違いについて書いた。
中編のこの記事では、ソーシャルワークの専門職である「社会福祉士」にフォーカスする。社会福祉士とは具体的に何をする人なのか、カウンセラーとの違い、そして意外と幅広い活躍のフィールドをまとめていく。
社会福祉士は「つなぐ」専門職
社会福祉士は、国家資格を持つ相談援助の専門職だ。名称独占資格であり、福祉に関する相談を受けて、助言や指導、関係機関との連絡・調整を行うことが法律で定められている。
一言で表すなら、「困っている人と、必要な支援をつなぐ人」。
前編で触れた「ソーシャルワーク」を実践する代表的な資格がこの社会福祉士。直接的なケアというよりも、その人の暮らし全体を見渡して、制度・サービス・人をつなぎ合わせるのが仕事の核心だ。
たとえば、高齢の親の介護で疲れ果てている家族がいたとする。社会福祉士は、その人の状況を丁寧に聞き取り、介護保険サービスの利用、地域の支援団体への橋渡し、経済面の相談窓口の紹介など、複数の選択肢を一緒に整理していく。「話を聴いて終わり」ではなく、「次に何ができるか」を一緒に見つけていく。そこがこの仕事の特徴だ。
カウンセラーとの違い
よく「カウンセラーとどう違うんですか?」と聞かれる。
カウンセラーが心の内面に寄り添い、気持ちの整理を手伝う専門家だとすれば、社会福祉士はもう少し「外側」、つまり生活環境や制度、人間関係といった暮らしの土台を整える専門家だ。
もちろん、気持ちに寄り添うことも大事にしている。でも最終的には「具体的にどう動くか」まで一緒に考えるのが社会福祉士ならでは。制度の知識、対人援助の技術、そして地域のネットワーク。この3つを組み合わせて、その人らしい暮らしを支えている。
医療の専門家が「体」を診るように、カウンセラーが「心」を支えるように、社会福祉士は「暮らし全体」を見る。それぞれの専門性が重なり合いながら、一人の人を支えているイメージだ。
6つの活躍フィールド
社会福祉士の活躍の場は、想像以上に幅広い。主なフィールドを紹介する。
① 医療機関(病院の相談室) 入院や退院に伴う生活の不安、医療費の悩み、退院後の暮らしの準備などをサポートする。医療ソーシャルワーカー(MSW)と呼ばれることが多い。
② 高齢者福祉(地域包括支援センター・特養など) 介護が必要になった人やその家族の相談に乗り、ケアプランの作成やサービスの調整を行う。地域包括支援センターは、高齢者の「何でも相談窓口」のような存在だ。
③ 障害者福祉(相談支援事業所・就労支援など) 障害のある人が地域で自分らしく暮らすための計画づくりや、就労に向けた支援を行う。「サービス等利用計画」の作成を通じて、日常生活から社会参加まで幅広くサポートする。
④ 児童福祉(児童相談所・スクールソーシャルワーカーなど) 虐待対応や不登校支援、家庭環境に困難を抱える子どもたちへの支援を行う。近年、スクールソーシャルワーカーの需要が高まっている。
⑤ 行政機関(市区町村の福祉課など) 生活保護の相談や、福祉サービス全般の窓口として働く。最近では生活困窮者自立支援制度の相談員として活躍する社会福祉士も増えている。
⑥ 教育機関 大学や専門学校で、次世代の福祉人材を育てる教育・研究に携わる。私自身もこの分野で活動している。
「相談を受ける」だけが仕事じゃない
社会福祉士というと「相談を受ける人」というイメージが強いかもしれないが、実はそれだけではない。
制度と制度のすき間に落ちてしまう人を見つけ出すこと、地域の中に新しい支え合いの仕組みをつくること、そして社会全体の課題に声を上げること。こうした「ソーシャルアクション」も、社会福祉士の大切な役割だ。
たとえば、ある相談者が「制度の対象外だから助けてもらえない」と困っていたとしたら、その声を行政に届けたり、同じ悩みを持つ人たちのための新しい仕組みを提案したりする。一人の困りごとを、地域や社会の課題として捉え直す。それが社会福祉士ならではの視点だ。
目の前の一人を支えながら、社会の仕組みにも働きかける。ミクロとマクロの両方を見る視点が、この仕事のやりがいであり、難しさでもある。
次回予告
後編では、社会福祉士の1日の流れや、資格を取った後のキャリアパス、そして私が深夜のオンライン相談を始めた理由について書いていく。
「社会福祉士ってこういう仕事なんだ」と少しでも伝わっていたら嬉しい。ぜひ後編も読んでみてほしい。