事件事故が発生すると、第三者員会を立ち上げ、検証と再発防止を行うのが、定石と言われているが、お台場にある某テレビ局のケースや汐留にある某テレビ局を見ると対応があまりにもひどいことがわかる。
参加していたメディア(報道機関、自称メディアやフリーランスも含む)の質が悪すぎたというものあるが、企業側のスタンスとして、残念な対応が多いことが見て取れる。
今回は、タイトルにあるように、弁護士のみに頼るリスクに関して話していきたい。
なぜ、第三者員会は弁護士を中心とした有識者が多いのか?
第三者員会を立ち上げて、事実関係を調査しますと、よくコメントをしているのを見かけるが、猫も杓子も決まって「弁護士」が中心となっている構造が非常に疑問である。確かに、経営者にとってみれば、会社がかかわったとされる事象が「法的なリスク」があるかどうか、対応方法が「法的に問題があるか」は重要なポイントであることは、確かであるが、会見をしている様子や受け答えを見るとあまりにも稚拙であるといえる。
事件事故が起きた場合、問題となるのは、
・事実関係の確認
・社内方針と再発防止策
・被害者に対する救済措置
・加害者への処罰
・監督者、管理者の責任
・公平性の担保
・情報公開
が主なものと考える。
細かいポイントはいくつかあるのは承知しているが、第三者員会を立ち上げ、その中で調査するのであれば、「法的リスク」を回避しているか一番重要なのではなく、被害者に対する救済措置や同じことが起きないように企業として再発防止をどのように行うかである。
あくまでも、「法的リスク」は起きた事象に対する処罰や監督責任を取るため、法令や社員就業規則など、また社会的責任に対してリスクがあるか否かを法的に検証することである。よく、第三者員会の記者会見で、XXXの行動に関して、コンプライアンス違反をしてきることが認められましたとか、ハラスメントがありましたとして、調査を終えていることを意気揚々とコメントしているが、それが第三者員会の役割ではなく、あくまでもその事件事故を法的に認定しているだけの作業であるといえる。
思い起こしてもらいたいのが、お台場にある某テレビ局記者会見とその後時期を変えて行われた、第三者員会の会見。
テレビ局の会見では、質問した記者の質は別として、報道機関を担うテレビ局があの会見で良しとするのであれば、一般企業の不祥事等で執拗に追いかけてコメントをとるレポーターや記者は何なんだろうという気がしてくる。
・第三者員会の調査があるので、詳細はコメントできない。
・プライバシーの問題があるので、詳細は差し控える。
こんなコメントを一般企業がコメントすればたちまち炎上し、毎日毎日番組で面白おかしく、レポーターやコメンテーターがこれ見よがしに、自説をコメントするのが目に見えている。
ではなぜ、弁護士だけに頼るとリスクがあるのか?
弁護士は、言わずと知れた法律の専門家である。事件事故が法的にリスクがあるかないかを判断するのが、仕事であり、それ以上でもそれ以下でもない。
おこした事件や事故が、ハラスメントに抵触しているか?法令に違反しているか?これを事実に基づいて、「法律」に違反しているかを判断することである。つまり、第三者員会に弁護士は必要であるものの、主要弁護士とセカンドオピニオンを出せる弁護士は必要だが、それ以外は何人いようが変わらない。つまり、弁護士のみもしくは弁護士がマジョリティを占める第三者員会は法的リスクのみを追い求めがちになり、本来必要な
・社内方針と再発防止策
・監督者、管理者の責任
・公平性の担保
・情報公開
といった報道機関が検証し、報道するために必要な視点が欠落していることが多いといえる。
特に、最近SNSが発達して、問題になってくるのが、情報公開と公平性であるといえる。また加えて法的リスクがないと言って開きなおる場合にもリスクが肥大化することも忘れずにいたい。これは、道義的責任といわれ、法的リスクがなかったとしても対応のまずさや話し方、情報公開の方法により、生じるリスクだ。隠された情報やあえて公表しない情報がのちに公になったり、自社に都合の悪い事象を隠したりするとたちまち、炎上する。
よく、クライアントに相談されるのが、
・どこまで、公表すればよいのか?
・どんな場合に、公表すべきなのか?
・もみ消せないか?(情報公開しない)
といったことが多い。
言語道断なのは、もみ消すこと(または、しれっと済ますこと)
また、以前うまく乗り来たことがあるから大丈夫といった安易な考え方を持っている経営者もいます。
起きてしまったことは、それをなくすことはできません。法的なリスクはもちろん、最近では、レピュテーションリスク、ブランド棄損など、法的に問題はなくても、事件事故が長引くことがあることを理解することが重要です。
(2)に続く。