私は、同じにするために、変えることを覚えた。 ― 同じ麺を作るために、レシピは季節で変えていた。―

私は、同じにするために、変えることを覚えた。 ― 同じ麺を作るために、レシピは季節で変えていた。―

記事
ビジネス・マーケティング
私は、

ラーメン店で、

製麺をしていました。

自分たちで、

麺をつくっていました。

製麺では、

一年中、

同じレシピを使えば、

同じ麺ができるわけではありません。

夏と冬では、

気温が違います。

湿度も違います。

同じ小麦粉。

同じ水。

同じ機械。

それでも、

条件が変われば、

出来上がる麺も変わります。

だから私は、

季節によって、

レシピを変えていました。

目的は、

麺を変えるためではありません。

同じ麺をつくるためです。

同じにするために、変える。

一見すると、

矛盾しているように見えます。

でも、

製麺では、

当たり前のことでした。

私は長い間、

このことと、

人材育成を、

別々に考えていました。

そして、

10年ほど経って、

ふと思いました。

「人も、同じでは?」

スタッフにも、

いろいろな人がいました。

謙虚な人。

自信のある人。

失敗すると、

必要以上に落ち込む人。

失敗しても、

すぐに立ち直れる人。

同じ二年間、

働いていたとしても、

同じ人ではありません。

だから、

同じことを伝えても、

同じようには伝わりません。

例えば、

入ったばかりのスタッフが、

初めての仕事で失敗したとします。

まだ、

不慣れなだけかもしれません。

そんな人に、

「教えたでしょ。」

と言っても、

成長には、

つながらないと思います。

時間と経験で、

できるようになることなら、

必要なのは、

厳しく教え直すことではなく、

やる気を失わせないことかもしれません。

「最初なんだから、

大丈夫。」

そう伝えた方が、

次へ進める人もいます。

一方で、

二年以上働き、

いろいろな経験をしてきたスタッフが、

同じように落ち込んでいたら、

私は、

同じ言葉を使いません。

「気にしすぎだよ。」

と軽く流してしまえば、

その人が抱えているものを、

見落としてしまうことがあります。

経験してきたからこその、

挫折かもしれない。

自信を失っているのかもしれない。

次の成長へ進む途中で、

立ち止まっているのかもしれません。

だから私は、

同じ質問をされても、

同じ答えをしませんでした。

自信が足りない人には、

背中を押す。

自信過剰な人には、

まず、

やらせてみる。

失敗したら、

私は聞きました。

「俺に、どうしてほしい?」

答えを、

私が先に決める必要はないと、

思っていたからです。

私は、

スタッフの短所を、

すべて直そうとは考えませんでした。

それよりも、

長所を伸ばした方がいい。

店長を目指すスタッフにも、

全員から好かれる店長になる必要はないと、

伝えていました。

「あなたにも、

好きじゃない人はいるよね?」

人間だから、

当然です。

全員から好かれることを目指して、

その人らしさまで、

失う必要はありません。

ここまで考えると、

製麺と人材育成は、

よく似ています。

条件が違うなら、

やり方を変える。

でも、

一つだけ、

決定的に違うことがあります。

麺の完成形は、

私が決められます。

今日も、

昨日と同じ麺をつくりたい。

そのために、

レシピを変えます。

でも、

人の完成形は、

私が決めるものではありません。

店長になりたい。

接客が上手になりたい。

自信を持ちたい。

将来、

自分の店を持ちたい。

人によって、

目指す場所は違います。

私が考える、

「優秀なスタッフ」

という一つの型に、

全員を入れることが、

人材育成ではない。

私は、

そう思うようになりました。

その人が思い描く、

自分の理想。

そこへ近づくために、

今、

私に何ができるのか。

私は、

それを考えるようになりました。

同じ麺をつくるために、

レシピを変える。

人なら、

なおさらです。

同じ勤務年数だから。

同じ役職だから。

同じ失敗だから。

だから、

同じように教える。

私は、

そうは思いません。

人が違えば、

伝え方も変わる。

同じ人でも、

成長すれば、

伝え方は変わる。

昨日のその人と、

今日のその人は、

もう同じではないからです。

だから私は、

同じ結果を求めるために、

同じやり方を続けることを、

やめました。

同じにするために、変える。

製麺で当たり前だったことを、

私は、

人と向き合う中でも、

少しずつ覚えていきました。

🐾アオ日記

主人は、

同じ麺をつくるために、

レシピを変えていたらしいにゃ。

難しいにゃ。

アオのご飯は、

季節が変わっても、

同じでいいにゃ。

でも、

量は増やしてもいいにゃ。

そこは、変えてほしいにゃ🤣🐾

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